「黒沢清らしい」クリーピー 偽りの隣人 ぷ~太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
黒沢清らしい
「cure」で黒沢清映画に入門した私にはとても黒沢清らしさが感じられササる一本でした。
ゾワりゾワりと心に滲むサイコな感覚。
奇妙な隣人、香川照之の存在、その奇妙さは違和感といった程度から始まる。主人公が挨拶に行く別の隣人は違和感に気づいていない…のか?
違和感をキチンと感じることの妙、言葉にして説明出来ない事柄への向き合い方。その難しさが感じられる。
序盤、初めて主人公が香川照之演じる西野宅へ訪れるあたりからずーっと、ずーっと流れる不穏な空気。
映画を観る側の私たちはこの不穏さを体感しながら、どこが不穏なのか、どこに違和感を感じているのか、不穏という頼りなげな感覚からハッキリとした事柄を拾おうとスクリーンにのめり込んでいく。
しかし、なかなかハッキリとした事柄を拾わせてくれないのが黒沢清映画。
これは何だ?何を意味するのか?
一回の鑑賞で全ては語れない感触が魅力的な黒沢清らしい映画でした。
また頭から見返したい。
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