「予告編が面白いと駄作率が高い(笑)」クリーピー 偽りの隣人 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
予告編が面白いと駄作率が高い(笑)
私事ですが
年間100本も劇場で観てると、
わかってくることがあるんですよ。
最近の邦画は
予告編が面白そうに見えるやつほど、
よくできてるほど
駄作率が高いって(笑)
それは
たくさんの
展開のきっかけを繋げて
コピーもネタバレ覚悟で煽ってくる。
そりゃどうなるんだろ?と思いますが、
収束されないまま終了
というパターン。
見終わって、
予告編の演出の方が、
よっぽど上手かったなぁと、
後悔することも多くて。
今作もなんとなく
キケンな香りがしましたが
まぁ話題作は劇場で観るという信念のもと、
足を運びました。
で、めでたく予想は的中して(笑)
お話はあれれと都合良く転がり続け、
伏線もバラバラと落としっぱなし。
なんでそうなるの?の連続に、
苦笑するしかありません。
ネタバレになるから書けませんが、
ここまで投げっぱなしで、
ラストもあんなので、
わけわからないのに想像せよというのは、
都合が良すぎでは。
製作者のカタルシスは、
どこにあるのでしょうか。
みなさん書いているように、
香川照之さんは良かった。
けど他の演者は、
茶番感あふれて辛い。
脚本がだめなのだから、
むしろ犠牲者なのかもしれませんが。
トーンや世界観は
怖さがあってシズリましたけど、
それだけでは映画として成立しない。
テレビの短編ホラーやPVで十分です。
なんかハリウッドのサイコパスな作品に憧れて、
映像だけこだわって作っちゃったカンジ。
けど、セブンやゴーンガールの
デビッドフィンチャー監督の世界とは、
比べるまでもないですね。
サスペンスとかホラーは、
当たり前だけど
リアリティが全てだと思うのです。
この題材なら
さも自分の身に降りかかりそうだから
怖いのであって、
そこが適当だと
もはや何にも感じませんね。
外国のサイコなら
まだあるのかもしれないけど、
日本人をぞっとさせるなら
無関心な隣人の怖さとか、
まだ描き様もあったのでは。
近年、似たような少女監禁事件がありましたが、
実際に起こったドキュメンタリの方が、
よっぽど怖いですよ。
聞けば原作はめちゃくちゃ面白いのだそう。
なんでこうなっちゃうのかな。
ベストセラー小説の映画化なら、
改変せず
映画なりのこだわりを持って描いたほうが、
WinWinで良いと思うのですけど。
やりたくなっちゃうんですかね...。
えーと、久々の辛口で、すみません。
貞子vs伽耶子の口直しで、きょう見ようかな、と思ったのですが。
やはり、クソ黒沢清の映画なんですね。
香川の芝居は見たいけど、こちらのレビュー読んで、行くのやめました。
やっぱり、黒沢はダメ、と。