劇場公開日 2016年6月18日

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「悶々と楽しめるというか」クリーピー 偽りの隣人 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0悶々と楽しめるというか

2016年6月21日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

希薄な人間関係をこうも厭らしく猟奇的に描かれると、何にも反論できないし、否応なく納得もさせられてしまう。
いい話でもないし、恐怖と嫌悪に満たされる。ただ、終始画面に釘付け。分かりやすく移り変わる光加減が絶妙で、恐怖を煽り立てる音楽と相俟って、黒沢清ワールドに誘われる。
絵作りが何だか自分には合っている。非常に好き。
それにしても巧い、巧すぎる、キヨシクロサワワールドを完璧に構築してしまっている。
配役、演出に関しても、もはや神。決してうまくない西島秀俊、たおやかでなおやかな竹内結子、うまくて個性豊かな香川照之、きりっとしていながら暗い影を背負う川口春奈、青臭い東出昌大、役者の絡みや演技を見るだけでも面白いし、なんか笑える、あまりにも絵に描いたような演技にニヤニヤしてしまう。
現代社会をうまい具合に反映させた凄い話を考えるものだなぁと感心する。この卓越した創造性から、ファンタジーと見做すことこそが望まれる見方なのかなとは思うのだけれど、そのワールドは相変わらずあまりにも生々しく毒々しいものであるが故に、いい映画だからぜひ見てみて!とはなかなか薦めることができない自分がいる。自分は大いに楽しんだのだけれども─

SH