「【”入魂・真心の衣装。そして、蕨の印が刻印された衣装。”王の衣装を伝統的な手法で作る男と革新的なデザインで王族を魅了した男の友情と嫉妬を、豪華絢爛な衣装と朝鮮王朝の愛憎を絡ませて描いた切なき物語。】」尚衣院 サンイウォン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”入魂・真心の衣装。そして、蕨の印が刻印された衣装。”王の衣装を伝統的な手法で作る男と革新的なデザインで王族を魅了した男の友情と嫉妬を、豪華絢爛な衣装と朝鮮王朝の愛憎を絡ませて描いた切なき物語。】
■王室の衣装を製作する尚衣院を仕切るドルソク(ハン・ソッキュ)は、30年に及ぶその功績が認められ、両班になる出世を目前にしていた。
一方、誤って王(ユ・ヨンソク)の衣装を焼いてしまった王妃(パク・シネ)は、巷で評判の天才仕立屋ゴンジン(コ・ス)を呼び寄せる。ゴンジンの才能に危機感を抱いたドルソクは、彼を陥れようとする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・明るいゴンジンがその腕を王妃に認められながら、奢る事無く楽しそうに王や王妃の衣装を作っていく表情。
ー 王の寵愛を受けられず、悩んでいた王妃の表情も明るくなっていく。そして、ゴンジンの衣装作りは斬新で、型紙ではなく、自らのデッサンで作られて行く様。-
・王が、兄や父に対する嫉妬から王妃を近づけなかった理由も上手く描かれている。
ー 彼は、兄から勧められ王妃を幼き頃の屈辱の思い出で、その美しさに気が付かなかったのである。-
・ドルソクとゴンジンは中盤まではお互いの腕を認め、交流していたのに・・。
ー 二人で夜道を歩きながら、月を見る姿。そして、ゴンジンはドルソクの事を尊敬し、ドルソクもゴンジンの才に、一目置いていたのに・・。-
■野心溢れる側室の宴に現れた王妃が見に纏っていた白の美し過ぎる衣装。
目を見張る臣下や王。そして、それを作ったのは伝統に背いて、自ら王妃の採寸をしたゴンジンだった・・。
そして、そこからオカシクなって行く二人の関係(特に、ドルソクがゴンジンに抱いた嫉妬心。
更に野心溢れる側室が、主役であるはずの自らの宴を、王妃の美しさに持って行かれた事から起こした嫉妬心から、ゴンジンの運命は傾いて行くのである・・。
<今作は、途中まではコミカル且つ王室の衣装や装身具の製作・管理を行なう両衣院の仕事ぶりを見るのが楽しいが、後半は王宮内の政争に呑み込まれてしまったドルソクとゴンジンの姿が切なき作品である。
但し、絢爛豪華な衣装を制作する過程はとても面白き作品でもある。>