劇場公開日 2015年10月17日

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「【演技・演出・物語が秀逸。派手さはないのに見入ってしまいます】」マーシュランド 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【演技・演出・物語が秀逸。派手さはないのに見入ってしまいます】

2021年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

難しい

・2014年製作のスペインのスリラー映画です。首都から左遷された刑事ペドロと、左遷先の町のベテラン刑事フアンのコンビが、強○されて殺害された2人の少女の事件を追う、という大枠ストーリー。
・「マーシュランド」の意味は、「湿地帯」という意味だそうです。

[お薦めのポイント]
1.深みのある演技
2.クリムゾンリバーやセブンのような重厚な雰囲気
3.目立つアクションが無くても見入ってしまう物語・演出
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[物語]
・大きなアクションシーンがあるわけでもないのに、じーっと観続けられる素敵な作品だと思いました。
・色々と考えさせられてしまうラストシーン、これもすごいです。このラストは、もやるかたも多いかと思います。自分もその一人でしたが、これぞ、じめっとした「湿地帯」ならではの感じなのだろう、とタイトルが自己解決してくれます。笑

[演出]
・全体的に淡々と謎解きと刑事たちの人間模様を描いていて、雰囲気は「クリムゾンリバー」そのもの。相当前に観たはずの映画なのに、ふっと「あ、クリムゾンリバーだ」と思う出してしまうほど、雰囲気が似てます。他にも「セブン」ぽさも感じました。
・派手な演出で目を引いてラストまで持っていく手法ではなく、あくまでも「謎」と「人間模様」に主軸を置いて飽きさせない演出は圧巻です。

[映像]
・オールドフィルムのような色調や質感が、物語・演出にぴったりとハマっていて、より映画にのめりこませてくれます。

[音楽]
・主張しないであくまでも裏方に徹するようなBGM。音楽を強めに利用して共感性を高めるようなこともしておらず、あくまでも世界観を創る裏方に徹している感じが好きです。

[演技・配役]
・ペドロ役の「ラウール・アレバロ」さん、フアン役の「ハビエル・グティエレス」さん、どちらも知りませんでしたが、ぴったりとハマっている役者さん。
・ペドロ刑事は、強い正義感がありつつも若手刑事とは異なるが故の「葛藤」の様がとても良く伝わります。経験によって覚えてきた「大人の事情に対する行動」は、まさにペドロ刑事の年齢にピッタリな葛藤だと思いました。一方、フアン刑事は、さらにその上をゆく、その世界の「ドン」のような雰囲気を全体を通してしっかりと魅せてくれます。途中で流す涙から過去の出来事は、人前でみせる感情とは裏にある別人格を匂わせます。しかし、それは決して作中で観ることのできない姿。こういう想像をさせてくれる演技が抜群ではないでしょうか。

[全体]
・物語の流れ、重厚な雰囲気のある演出、サスペンス要素とスリラー要素が入り混じった見事な作品だと思いました。なんとなしに観た映画でここまで引き込まれたのは驚きです。
・友人にも勧めたいのと、自分自身、もう一回見て観たくなる一作です。ありがとうございました。

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3104arata