「美しい湿地帯の真実」マーシュランド とんぺーさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい湿地帯の真実
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この映画のミソは、随所に散りばめられる俯瞰の映像。
この映画の題材である少女連続殺人事件、ラストには解決、一件落着となるが、本当の犯人が居たのでは?や事件の黒幕は…?という疑問は一切が闇に葬られる。
この映画は伏線の未回収率が非常に高い。高級コロンの香り、柔らかい手、スクリューでバラバラにされた死体、射殺された男、相棒の過去、写真に写りこんだ謎の男、占い師の言葉、そしてマドリードに晴れて戻れることとなった主人公。こういう布石を繋ぎ合わせていくと、湿地帯に沈むドブが見えてくる。
この湿地帯は俯瞰して見ているかぎりと、美しか目に映らないのだ。誰も底のドブなんて好んで掬いたがらないだろう。
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