「「死を恐れん者に、命を懸ける資格はない。」」NINJA THE MONSTER 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
「死を恐れん者に、命を懸ける資格はない。」
【賛否両論チェック】
賛:モンスターにすら動じず、困難を生き抜いていこうとする忍びと、そんな忍びとの間で、愛情や友情を育んでいく姫君との人間ドラマが印象に残る。クールでカッコイイ主人公にも要注目。
否:実際にモンスターと戦うシーンは少なく、かつその全貌もなかなか明かされないので、モンスターとの戦いを期待して観ると、拍子抜けしてしまいそう。
普段は寡黙で不気味な雰囲気すら漂わせている主人公・伝蔵が、〝モンスター”という未曽有の脅威を前にしてもなお動じずに、姫君を守り抜こうとする姿が、メチャメチャカッコイイです。さすがはディーン・フジオカさん、ハマり役です(笑)。
そして、幸姫がそんな伝蔵に守られていくうち、2人の間で次第に、主君の姫と家来という身分を超えた、愛情にも似た友情が育まれていく様子も、また清々しくてステキです。
ただ内容としては、モンスターの登場シーンは思いのほか少なくて、基本的にはそうした物の怪が跋扈する山中で、お互いの疑心暗鬼や祈祷師達との争いをかわしながら、いかに江戸まで生き抜いていくかがメインの作品です。ですので、「忍者とモンスターとの激しい戦い」なんてのを想像して観た人は、「これじゃない感」がハンパないかと思います(笑)。
人間ドラマも垣間見える、異色の時代劇といえそうです。
コメントする