「「僕だけがいない街でも、笑っていてほしい。」」僕だけがいない街 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
「僕だけがいない街でも、笑っていてほしい。」
【賛否両論チェック】
賛:最愛な人を悲しい運命から救うために、奔走する主人公の姿が切ない。そんな主人公が、自分が信じる正義のために行動を起こしていく姿も、印象深い。
否:展開はややご都合主義で、出来すぎ感は否めない。虐待シーン等も、好みは分かれそう。
殺されてしまった最愛の母と、小学生の頃に守れなかった友。悲しい未来を変えるために、現在と過去を行き来しながら、2人の命を救おうと奔走する悟の姿が、切なくも勇ましく映ります。そしてそんな悟と、現在で心を通わせていく愛梨や、過去で志を共にしていく賢也。そうした周りの理解者達との関係の中で、悟が自分の信じる正義のために、想いを新たにしていく瞬間も、また胸を打つものがあります。容疑者として追われる悟を助けた愛梨が語る、
「この手で出来ることがあるって、信じたい。」
という言葉が、印象に残ります。
事件の真相も、一見単純そうな中でも、何となく意表を突かれる感じがあって、個人的には好きです。
現在と過去の事件の結びつきは、やや偶然が出来すぎている感はありますが、タイトルの本当の意味が最後に実感出来る、そんなグッとくるミステリーです。
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