「団地」団地 pontaさんの映画レビュー(感想・評価)
団地
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奇才阪本監督のみごとな一本。「団地」はこの世であり、「宇宙船」はあの世。「意識は死なない」人間の可能性について、ここまでエンタテイメントに仕上げた作品は海外も含めて観たことがない。この作品のキーワードは、「境界線」。「離れれば、境界線は消えて、近づくと、境界線が生まれる」というのは、この世における人間関係そのものだ。床下と林のなかで主人公が体験する「境界線が消える瞬間」、というのが実にわかりやすくて魅力的。映画鑑賞者であるわたしたちにもじゅうぶんに想像できるから。ラストのキーワードは、へその緒を「忘れること」すなわち「離れる」こと。だからこそ、主人公夫婦の望みが叶うのだ。
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伸子さんのコメント
2020年8月13日
私の気持ちにドンピシャなレビューでしたので、思わずコメントさせていただいています。
なるほど、境界線なんですね!
斎藤工くんの「宇宙人」っぷりには思い切り笑いましたが、
ラストの大団円?には泣きました。
へそのお忘れた夫婦に、大笑いした(怒った)と思ったら、2人をあの頃に戻しちゃった。
団地と宇宙船が、こんなにしっくりくるなんて、この映画が堂々たるファンタジーである証明ですね(笑)
『半世界』のような、骨太の人間ドラマも作るし、まったく、阪本さん、すごいなあ。