エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方のレビュー・感想・評価
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下世話だけど沁み入る部分も多く、思わぬ拾い物をした気分
ジャド・アパトーといえばハリウッドでの認知度とは抜群ながら日本では監督作が未公開になることも多く、未だ代表作が『40歳の童貞男』といった具合である。そんな彼が、今をときめくエイミー・シューマーと強力タッグを組んで放つのが『Trainwreck』(原題)。「大混乱」、「しっちゃかめっちゃか」といった意味だが、大混乱が巻き起こるのは物語ではなく、むしろヒロインの胸中だ。これまで実践してきた「誰とでも寝る。深追いはしない」という生き方が根底から突き崩された時、ひとりの男を愛することで彼女の内面はどんどん変化を遂げていく。
フィクションではあっても主演のエイミーは同じエイミーという名のヒロインを演じ、実話ではないが赤裸々な自分をぶちまけようとする意欲が伝わってくる。また、彼女の独壇場かと思いきや、アパトー作品らしく下世話なのになぜか胸を打つ場面もあるし、何よりも豪華な脇役たちが楽しい。思いがけない拾いものをした気持ちになれる良作だ。
好みが分かれる ラブコメ上級者向きの逸品
『アイ・フィール・プリティ』で、ちょっとユニークな視点で勘違い美人を好演したエイミー・シューマー。彼女の長編映画デビュー作品にして、一部で高い評価を受けたラブ・コメディ。
1998年の『セックス・アンド・ザ・シティ』を発展させたようなストーリーは、赤裸々に表現されたSEX描写と、歯に衣着せぬセリフで彩られ、R15指定になっているが、エロさは感じない。なぜなら、女性の視点でSEXを描いてあるからだ。例えば、彼女がどんなふうにアソコを舐めてほしいかを、まるで料理のレシピを指示するように言われても、それで欲情する男はいないだろう。まあ、性癖は様々なので、断言はできないが。家族そろってリビングで鑑賞するような映画ではない。
男と長続きしないが、相手には不自由しない雑誌編集者。普通なら美人で均整の取れたボディの人気女優がキャスティングされるところだろう。映画会社の重役は、客入りが悪そうな、実績のない、美人でもないエイミーの企画にゴーサインを出すとは思えないから。例えばエマ・ストーンとか、アン・ハサウェイあたりを起用して、どっかで見たことのあるラブ・コメディに仕上がっているはずだ。
この映画のいちばんの特徴は、主人公がたいした美人でもなく、欠点だらけに見える等身大の女性を、まさに自分の身の回りにいるような存在感のエイミーがリアルに演じていることだ。日本だと柳原可奈子さん、フォーリンラブ・バービーさんあたりが近いポジションだろうと思うが、残念ながら彼女たちがこの役を演じたとしても誰もそんな映画見たくないだろう。エイミーには言葉ではうまく表せない不思議な魅力があり、多くの男性がその魅力にハマる。
そしてもうひとつの売り物が、豪華脇役スターたち。というより、現役の(当時)NBAの人気選手レブロン・ジェームズを本人役で起用し、彼の日常をごく自然に描いてある点にも興味を惹かれる。友人と食事をしても割り勘で、「僕は金持ちだけど、引退したらただの黒人だ。誰からも相手にされなくなる。MCハマーになりたくはない。」なんてセリフを、脚本段階でどうしていたのか。脚本を書いたのもエイミー・シューマーだけに詳しく知りたくなった。
外科医でエイミーの恋人役を好演するビル・ヘイダーも芸達者で、そこそこバスケが上手そうに見える。ところがレブロン・ジェームズには全く歯が立たず、子ども扱いだ。(当たり前か)
妹役のブリー・ラーソンはご存じキャプテン・マーベルで大ブレイク。『ルーム』でオスカーを獲得した後だけに、主役じゃないこの映画に出演したのは、おそらくエイミーの存在抜きにはあり得ないだろう。
ほかにも、劇中劇映画「DOG WALKER」に主演するダニエル・ラドクリフとマリサ・トメイとか、名前だけ連呼されるマーク・ウォルバーグ野郎とか、腰を痛めた本人役のマシュー・ブロデリック、WWEの人気レスラー、、、本当に書ききれないほどにカメオ出演の嵐。いや、それぞれがカメオの領域をはるかに超える力の入れようで、この人たちのスケジュールをよく合わせたな、と思える豪華な顔ぶれ。それでいて、内容はごく平凡なコメディなのだから、職人気質の監督と、エイミーの人徳なのだろうなと個人的には納得した。
早く、『アイ・フィール・プリティ』の次の作品が見たいものだ。この映画でも不美人が魅力的に振舞う映画だっただけに、きっと多くの女性から共感を得たのだろう。
2019.12.16
小ネタの連打に魅了される
どういう経緯か分からないのだが、マシューブロデリックが出た時点で、
もうガッツポーズをとってしまった。
おそらく本国ではおなじみであろう解説者が、
「久しぶりの名演技」と言うくだりは、
ブロデリックの現状が窺い知れる自虐ネタなのだろう。
日本なら、徳光さんが野村宏伸をからかうような感じだろうか。
決してないだろうけど。(野村さんすみません)
Aロッドの話題に苦虫を潰す妹の旦那とその仲間や、
ティルダ・スウィントンのぶっ飛んだ編集長ぶりなど、
日本人には分かるようで分かりにくいニュアンスを含んだギャグは多いが、
それなりに楽しめるウェルメイドなコメディだった。
プロデューサー兼主演のエイミー・シューマーは、今回初めて知ったが、
とてもセンスのあるコメディエンヌでありクリエーターだ。
クライマックスのダンスの中途半端なやれてる感がよかった。
蛇足だが、日本のお笑いの女性がやるとイタイ感じになるところを、
カラッと笑わせて嫌味にしないセンスは、
友近とかゆりやんとか3時のヒロインとかは学んでほしい。
笑ってやらなくちゃいけないのかなあと、
観ているこっちが気まずくなるんだよなあ…。
気づけば爆笑!
ダメ〜な人に優しいアパトー
原題の“Trainwreck”は、列車事故が起こった時のような混乱した、脱線した様を表現していて、主人公のエイミーの人となりを良く表している。脚本も書いているエイミー・シューマーが演じているが、ぽっちゃりタイプであまり美人ではないのその「フツー感」が、女性としては自然に感情移入できる。また、ギャグも冴えているし、映画レフェレンスも多いので、邦訳でもかなり笑えるのではないか。アパトー監督は、こういうダメ〜な人たちに対する描写が鋭く、また優しさも感じられるところがいい。最後、アーロンのためにチアリーダーに混ざって踊るエイミーと、自分のために殻を破って踊ってくれているエイミーを愛おしく思うアーロンがなんかいい感じで泣ける。
どんどんエイミーに惹かれていく
みんなレビューで“意外と良かった!”と言っているとおり、意外と良かった作品。
主人公エイミーは、大酒飲み、ドラッグ…男を手玉にとり誰とでも寝てしまう…けれど本当の恋愛はしたことがなかった。
寝るときに抱きつかれたり、息を感じたりするのを嫌で、もちろん男の人を家に泊まらせるのも嫌だし、頑なに“マイルール”を貫く人だった。
でも、仕事の取材でスポーツドクターのアーロンと出会う。初対面で何かすごく惹かれてしまうけれど、自分の気持ちに気づきつつも“そんなわけない”といつも通りもてあそぼうとするけれど…どんどん今まで許せなかったことが自然と許せるようになり“アーロンじゃないといけない”と薄々気づき始めるけれど、彼の為に深酒、ドラッグをやめることはまだできず。というかやめるつもりなどなく。
今まで何をしても、優しく許してくれたアーロン。
でもあることで今回ばかりはと、許せないことがありふたりは離れ離れに。
お互いが傷つき、寂しい想いを抱えて過ごす毎日。
変わったのはエイミーだった。
いつもの調子で職場の男子に手を出そうとしてしまい…それはなんとまだ未成年。次期編集長の噂もあったにも関わらず解雇。今までの自分の行いを後悔し、再出発を目指すエイミー。お酒もドラッグもやめた。
下世話な記事ではなく、まともな素敵な雑誌社に再就職し、アーロンのことも改めて書く。
アーロンの患者さんのバスケの試合のチアリーダーにエイミーが交ざりそこでサプライズの再会。
あんなにバカにしていたチアリーディングだったのに。
最後には好きな人の為に尽くすエイミー。とても愛らしく素敵な作品だった。
愛おしい恋下手ガール
主演女優がセガールにしか見えない
観終わった後に楽しい幸せな笑顔になれる!
すごくよかった
主人公のひどい性格に、彼のお医者さんははやく目が覚めるべきであるとずっと思っていたのだが、彼にしか分らない魅力があったのかもしれない。それを示すと陳腐になるから敢えて示さなかっただけかもしれない。ずっとつきあっていた筋肉男がピュアでかわいらしかった。頑固で性格の悪いお父さんもよかった。口汚い会話が特にとても楽しくて、あれで成立する人間関係はうらやましい。
最後、主人公のチアダンスは素晴らしくて感動した。あのままの気持ちでずっといられたらと願わずにいられない。
下ネタがとにかく笑える
幼い頃、父から「一夫多妻制は悪だ」と復唱させられ、本気の恋愛はせず、男性と一夜限りの関係を続けるエイミー。そんな個性的すぎる主人公と、それを取り巻く人々をコミカルに描いた本作。
真面目なところで、いわゆるKYな言動を取ってしまう主人公のイタさは「スウィート17モンスター」と通ずるものがあるが、こちらは年齢や、住んでる環境、セックスに対する見方など、我々には共感し難いものがあった。
しかし、そんな主人公の性格で笑わせてくれるシーンもあり、むしろ取り巻く人々が面白すぎる!
ゲイのくだりでのある人物のセリフは面白すぎる。劇中映画の内容がくだらなすぎる。しかも世界的に有名な俳優が少しだけ登場する。なんか、贅沢をした気分。
ただ、このような題材でコミカルな演出はいいのだが、やはりなにかを伝えてほしかったのは事実。ラストはかなり爽快になっているのだが、少し物足りないと感じてしまった。
女子会突っ込み映画!
笑える映画なので女子会突っ込み用映画としてはお勧めです!!
主演女優さんがアメリカでは有名なコメディエンヌとの事ですが
何の知識も無く、予告編だけ観て、本編を観賞。
いきなりのベッドシーンに、何?このデブで不細工な女は!!
とちょっと引き気味。
で、前半のドタバタなドラマ運びを観ているうちに
ヤバい!!
これは「ブリジット・ジョーンズの日記」の三作目以上の
超駄作では~~と不穏な雰囲気。
実力派のブリー・ラーソンや、
本物のNBAの選手レブロン・ジェームズが本人役で出ていたり
ルックは豪華なんだけど、
何だか低俗なゴシップ雑誌の記者のエイミーは
いつも大酒飲んでマリファナにラリってるし、実の妹に毒舌吐くし、
フォーマルな場で電話で大声出してスピーチを邪魔するし、
30過ぎてこんな事やってるのは、可愛いドジでは無く
単なるバカ女にしか見えないのに、
何故か、将来有望なお医者さんに愛されてて、
何だよ!何の努力も無しで結局上手くいく話かよ!!
プンプン!!
てな感じで、途中、寝ちゃいました。
が、最後の方に、主人公が全てを考え直して
努力を始めて成長するシーンが出て来たので
何とか少しモヤモヤが晴れて笑えました。
そう、お下劣なルックでもなんでもいいのです。
主人公がなんらかの成長をしてくれる映画が好きなので
それが感じられれば、悪くないよ!言えるのですわ。
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