劇場公開日 2015年11月14日

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「監督の個性が死んじゃった...」ラスト・ナイツ yakamochiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5監督の個性が死んじゃった...

2016年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画のレビュー然り、あまり批評って投稿したことがないんですが、紀里谷監督が好き&期待していることもあって記述させていただきます。

『キャシャーン』&『ゴエモン』は、監督の個性むき出しの唯一無二と呼べる作品で、賛否両論の否定派が多いのも事実ですが、確実に賛成派のファン(私もそうです。)が付いてた個性的な作品だったわけですが。。。
今回の作品はそんな監督の個性が、あの良くも悪くもみんなが期待するあの世界観ではなくなってしまい、変に優等生な作品を狙い見事にスベってしまわれております。

監督もインタビューでおっしゃっていましたが、そもそも『キャシャーン』公開後、ハリウッドからオファーの依頼が殺到したという点からも、みんな『キャシャーン』みたな世界観(デジタル紙芝居と揶揄された画作りや往年のヒーローアニメっぽい演出)を期待してたんですよね恐らく。

それを普通の作品も撮れるんだぜ的なモノは誰も期待してなかったのは言うまでもなく、純粋に没個性、監督のいいところが死んじゃった感が否めないです。

ティム・バートン監督やジャン・ピエール・ジュネ及びギレルモ・デル・トロ監督ともまた違った、今度はどんなあの独特のキラキラした世界観を見せてくれるんだろうという、紀里谷監督にしか望んでない期待を見事にスカされた感と言いましょうか。

(作品が似ているとかではなくて)見終わった感覚は、トム・クルーズ主演の『ワルキューレ』に似た、駄作とは言わないまでも確実に凡作の域を出ない・出られない、簡単に言うとつまんない作品。
「めっちゃダメ」とか「こりゃぁヒドいなー」とまではいかない、普通に見れちゃうところがまたつまらないという...印象に残らないと言いましょうか。その他の監督なら別にレビューをすることもなかったことですが、紀里谷監督作品で印象に残らないのはアカン!!

賛否両論でいいじゃない!観客のそれぞれの“いとおかし”って感覚を議論し合えるような作品を。誰も名作を望んでいやせん。印象に残る迷作(=映画史で語られるような)をください!!
僕らが紀里谷監督に望んでるのはそんな作品ではないでしょうか。

否定的な意見に惑わされないで、確実に肯定派がいることも忘れないで、いちファンとして、紀里谷監督の我が道を貫いてほしいと思います。次回作期待しております。

yakamochi