俳優 亀岡拓次 : 特集
世界の映画ファン注目の気鋭監督が主演に選んだのは、「名脇役」のこの男だった!
すべての「脇役なあなたたち」に贈る人生賛歌エンターテインメント!
「ウルトラミラクルラブストーリー」の気鋭監督・横浜聡子6年ぶりの監督作「俳優 亀岡拓次」が、1月30日に全国公開。映画、ドラマに引く手あまたの安田顕に、横浜監督が熱烈オファーを送った主人公は、安田をほうふつさせる「最強の脇役俳優」だった。麻生久美子がヒロインを演じる「安田顕15年ぶりの主演作」の見どころとは?
■もはや、この名脇役を知らない人はいないはず!
主演・安田顕×映画ファン注目の豪華キャストが、《横浜聡子監督の才能》に集結!
映画「龍三と七人の子分」、ドラマ「下町ロケット」ほか、数々の作品に引っぱりだこの個性派バイプレーヤー=安田顕の初主演作にして、すでに海外から熱い視線が注がれている「ウルトラミラクルラブストーリー」の横浜聡子監督最新作とくれば、麻生久美子を筆頭に、新井浩文、染谷将太、三田佳子、山崎努ら個性派&大御所俳優が集結したのも納得の結果。そう、本作「俳優 亀岡拓次」は、映画ファンならチェックしておくべき要注目作なのだ。
独特の着想と、見る者の予想を軽々と飛び越える演出で、すでに「天才」とも称されている気鋭監督・横浜聡子。映画美学校の卒業制作(短編)で早くも注目を浴び、06年の長編第1作「ジャーマン+雨」では、自主制作作品としては異例となる全国劇場公開を達成した快挙の持ち主だ。09年の松山ケンイチ主演作「ウルトラミラクルラブストーリー」は、トロントやバンクーバーなど多くの海外映画祭でも上映され、国内外で高く評価。さらに13年には、ロンドンで開催されたレインダンス映画祭で「横浜聡子特集上映」が実施された。また、本作も毎年20万人以上が来場するスカンジナビア最大の映画祭ヨーテボリ国際映画祭での上映が決定しており、熱い注目を浴び続けている存在なのだ。
そんな横浜監督6年ぶりの長編作の主役に抜てきされたのは、大泉洋も所属する人気演劇ユニット「TEAM NACS」の安田顕。硬派から軟派、そして女装役までもカメレオンのように演じ切って、映画・ドラマ・舞台・バラエティに大活躍する名バイプレーヤーが、声が掛かればどんな映画のどんな役でも引き受けるという「最強の脇役俳優」に扮する。安田の魅力にほれ込んだ横浜監督が、自ら脚本も手掛けて、37歳独身・彼女なし、不器用な生き方しかできないけれど、愛さずにはいられないキャラクター、亀岡拓次を創出。安田は、まさに亀岡そのものと言うべき熱演を披露している。
その安田の相手役を務めるのは、「ウルトラミラクルラブストーリー」、ロックバンド「100s」のミュージックビデオ「モノアイ」に続いて3度目の横浜監督作登板となる麻生久美子。亀岡拓次がロケ先で訪れた居酒屋の女将・安曇役で、ひと目で亀岡が恋に落ちてしまうという役回りだ。98年の今村昌平監督作「カンゾー先生」で報知映画賞&日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞、07年の主演作「夕凪の街 桜の国」で報知映画賞、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞を席巻した実力派。安田をして「日本のグレース・ケリー」と言わしめた、気品あふれるたたずまいと色気が出色だ。
映画ファンのみならず、映画製作者や俳優からも横浜監督の才能に熱い視線が注がれているのは、豪華な出演陣を見れば明らかだ。主人公の亀岡は、お呼びとあればどんな現場にも駆けつける脇役俳優。それぞれの現場を仕切る監督役として、実力派&大御所俳優が顔をそろえているのだ。近年はテレビドラマにも多く出演する「バクマン。」の新井浩文や、「さよなら歌舞伎町」「寄生獣」の染谷将太、さらには「日本のいちばん長い日」の山崎努が登場。「まさかこんなところで!」と驚くのは確実だ。さらに三田佳子は、亀岡が憧れる舞台女優役として出演。圧倒的な存在感を見せつける、安田との情熱的な絡みが見逃せない。
■主人公は「主演」じゃない、あなたと同じ「脇役」です
笑って心温まる、不器用な《亀岡拓次の人生》に共感する123分!
映画やテレビで顔はよく見かけるのに、その俳優の名前や出ていた作品名はパッと浮かばない……そんな脇役俳優として活躍する37歳独身・亀岡拓次(安田顕)の不器用ながらも愛すべき恋と人生を描くのが、本作「俳優 亀岡拓次」だ。泥棒、チンピラ、ホームレスと演じた役は数知れず、そして、声が掛かれば大作から自主映画まで、どんな役でもふたつ返事で応じる亀岡は、監督たちに重宝される俳優。帰る家で待つ家族や彼女もいない彼の唯一の楽しみは、お酒。撮影現場と酒場を行き来する毎日を送っていた亀岡は、ロケ先の長野でいつもの通りにひなびた居酒屋に飛び込むが、そこには店主の娘で女将の安曇(麻生久美子)がいて、ひと目で恋に落ちてしまい……。
決して「主役」にはなれないけれど、でも現場に欠かせない存在の「脇役」にスポットを当てた物語は、映画を見ている私たちの物語でもある。淡々としていても決して手を抜くことはなく、やるべき事をこなし、ほんの少しの楽しみに心を踊らせる日々。数々の撮影現場で亀岡が繰り返す一期一会のエピソードの数々に、クスッと笑い、心を温められてしまうのは間違いない。そして彼の人生に共感を覚えるからこそ、不器用な彼の一世一代(というほど大げさには見えないが)の恋を成就させようと奮闘する姿を応援したくなるのだ。
一方で亀岡は、世界的巨匠から新作出演のオーディションの報も受ける。果たして、彼の恋は実るのか。そしてオーディションの行方は。人生賛歌エンターテインメントから目が離せない。
■映画のプロも本作を高く評価!
横浜聡子監督が安田顕を主演に見出したことで生まれた「唯一無二のクオリティ」
編集者/ライターの門間雄介氏が本作を鑑賞。鬼才・横浜聡子監督とカメレオン俳優・安田顕のコラボレーションは一体何をもたらしたのか。