殿、利息でござる!のレビュー・感想・評価
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浄財とはこの事。
面白かった!
無言実行の格好良さ
話は地味だけど、惹きつけられる熱量があって面白かった。
百姓たちが町を潰さないよう知恵を振り絞りお金を工面して奮闘する様は面白かったけど、この時代の何に重きを置いてるかがイマイチ分からず松田龍平が一度はお金を受け付けず4.50年前からの計画だと分かって、いちゃもんは付けながらも受け取る意味の面白さが分からなかった。
あと、百姓も案外その気になればお金があるんだなと思った。
私利私欲、名声のためにお金を貸そうとする人も肝煎りの一声で誰にも知られず我らでやろう!と一致団結するのが人間らしいけど律してるところが良いなと思った。
しかし、みんな良い人ばかり。良い人の周りには良い人が集まるのだな。
阿部サダヲの家族の真実が分かって行くところはグッと来た。
実話なんだ!
実話をうまい人情ドラマに
金の使い方ってこう言うのがカッコいい使い方だと思う。
慎みの掟には笑ってしまうが昔の人々が真面目に考えていたんだろうなぁ。
お上に金を貸して利息をとるってスタートから、吉岡の宿を巻き込んだ大事になっていく経過は観ていて楽しい。
良いことも悪いことも
「マネー・ショート」より面白いでござる!
同じく実話を基にした小難しいお金の話「マネー・ショート」が個人的には全く理解出来なかったので、見る前はちと抵抗あったが、こちらは面白かった。
そもそもお金の話と言ってもまるで違うし、それに邦画だから、時代劇だから…って訳じゃなく、根底のテーマやメッセージが良かった。
藩からの厳しい取り立てで貧困に喘ぐ廃れた宿場町。
そこで、藩に大金を貸し付け、利息で町を救おうという奇策を思い付く…!
言い出しっぺは、嫁を貰って町に戻ってきた知恵者の茶師・瑛太。(役名が難しいので役者名で書きます、ご勘弁を…)
でもただの思い付きで“夢物語”だったのに、これに激しく賛同したのが、造り酒屋の阿部サダヲ。
そしたら賛同者が一人一人増えていって、皆やる気まんまん、言い出しっぺ「え~っ!?」(笑)
目標額は千両、現在の金額にして3億円!
こんな今にも潰れそうな町にそんな大金無い!
銭集めに悪戦苦闘、奔走…。
このタイトルから想像するのはメチャ笑えそうなコメディ。阿部サダヲも出てるし。
確かにコミカルだけど、次第に人情とじんわりの感動にシフトチェンジ。ここが良かった!
銭集めの為に、売れるものは何でも売る。
中には、私財や土地まで手放す者も。
つまり、破産覚悟。
また、この奇策がバレれば、打ち首。
そこまでするメリットは?
己の利にはならない。全ては町の為、子々孫々の為。
金を出したのが自分たちであると口外してはならない。
無欲であれ。
謙虚であれ。
慎め。
阿部サダヲの弟で守銭奴と陰口叩かれる妻夫木聡が何故か多額の出資。
その真意には、二人の亡き父で同じく守銭奴と言われた先代・山崎努のある教えが。
親子のサブエピソードが感動に一役買っている。
知恵。そして“無私”の精神。
今の政治家に足りないものであり、我々一般人も然り。
守銭奴たちの人間ドラマ
おもしろ映画かと思いきや…
良作です
実話に基づく時代劇と言うと「武士の家計簿」が思い出されるが,原作者は同じ人である。どちらの作品も,江戸時代の封建的なルールに縛られて生きるのは,さぞ辛かっただろうという視点で描かれているのだが,これはまさに現代人的な考え方なのであって,当時の人たちは,それ以外のルールがあるなどとは夢にも思わなかったのであるから,残念ながら時代的な意識を共有するといったところまではできていなかった。これは何もこの映画に限ったことではなく,結局昨今の大河ドラマでも同様なのであるから,今更嘆いても仕方がないことである。時代劇を作って頂けるだけで有難いと思わねばならないというのが実情なのであるから。
脚本は,時代の空気のようなものまで感じさせていたとは言い難かったが,かなり健闘していたと思う。特に山崎努が演じた浅野屋の先代には本当に驚かされたし,登場人物たちには身分の上下に関係なく,それぞれ見せ場が用意してあって見事なものであった。話の流れの中には何カ所か泣けてしまったところもあった。口に出してしまっては有難味が薄れるということが世の中にはいくつもあるが,そうした価値観はいかにも日本的である。本作はその典型と言えるだろうが,信念のために親子や兄弟が長年険悪になってしまってもやむを得ないとまで覚悟するのは現代人には理解し難い行動である。ましてや,外国人に理解を求めるのは無益であろう。
役者は芸達者を揃えてあって,特に,妻夫木聡と松田龍平の演技には目を見張らされた。いずれも役になり切った怪演と言うべきであったと思う。主演は阿部サダヲなのだろうが,見終わってから頭に残るのはほとんど山崎努のことばかりである。羽生選手も好演していたと思う。肌が白く,端正な容姿は,いかにも殿様という感じがした。だが,江戸時代の殿様が,敷居や畳の縁を踏んで歩くのはどうかと思った。誰も注意してやらなかったのだろうか?原作者のカメオ出演などよりそうしたことに気を遣って欲しかった。
集客目的で予告編を面白そうに作るのは映画会社の作戦なのであろうが,本作の場合はほとんどネタバレに近かったということには呆れてしまった。観客の年齢層が高く,老女ばかりの観客が見たがっていたのが予告や TV CM で何度も見せられた羽生選手演じる殿様だったことは,あのシーンで場内のババァどもの騒ぎが一段と大きくなったのを見れば明白である。まんまと乗せられたババァどもと同じ時間に見てしまったのがつくづく迂闊であった。
(映像4+脚本4+役者4+音楽3+演出4)×4= 76 点。
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