劇場公開日 2016年5月14日

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「無私の戦いを通して気づく、本当に大切なものの存在とは。」殿、利息でござる! 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0無私の戦いを通して気づく、本当に大切なものの存在とは。

2016年5月19日
PCから投稿

泣ける

悲しい

幸せ

【賛否両論チェック】
賛:町や子孫のために、全てをなげうって資金を集めようと奔走する主人公達の行動が、痛快かつ感動的。一連の騒動を通して改めて気づかされる、疎遠だった家族の本当の想いにも泣かされる。
否:コミカルなシーンは思いのほか少なく、笑える映画を想像して観ると、期待外れ感が否めない。

 「お上に金を貸す」という奇想天外な発想で、宿場町の危機を救った実話という触れ込みですが、そこにあるのは自身の苦楽よりも町や子孫のことを1番に考え、命がけの挑戦に打って出た男達の覚悟だったことが伺えます。最初は名誉欲なんかが邪魔して、決して一枚岩ではなかった彼らが、「宿場を守りたい」という想いだけで突き進んでいく姿に、何とも言えない痛快さがあります。そしてそんな主人公達に感化され、自ら行動を起こし始める町の人々の姿もまた、印象に残ります。
 それからもう1つ、このお話は“家族の絆の再生”のストーリーでもあります。幼い頃、長男なのに養子に出され、以来父や弟と疎遠になっていた主人公。そんな彼が今回の騒動を通して、弟や亡き父の本当の想いを知っていく様子には、感涙すら覚えるほどです。
 あまりコメディといった感じではありませんが、実在した無私の人々のお話を、是非ご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド