「宇宙船の大きさに☆1つ」インデペンデンス・デイ リサージェンス 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙船の大きさに☆1つ
「インデペンデンスデイ:リサージェンス」見てまいりました。公開初日の夕方の回に2D字幕を見たのですが、大型の劇場はかなり寂しい客入りでした。やはりウィルスミス不在の影響なのかなと思いました。20年ぶりという今更感もあるのかもしれませんね。
そして始まると、ウィルスミス不在の懸念は的中。ジェフゴールドブラムは前作では変態のオタクでしたけど、今回は普通の偉い人だから全く面白くないし、物語を引っ張っていく力や魅力が決定的に欠けている。若手4人も終始4人だけでキャッキャやってる印象で、応援したくなる感じではない。ウィルスミスも自信過剰で生意気だったけど、彼は家族を守るという使命を抱えていた。今回はそーゆー作りがほとんどありません。前回みたいに、散り散りだった奴らが一致団結するみたいなのもあんまり感じませんでしたよ。
ウィルスミス息子が母親の死を目の前にするシーンも、すごくあっさり片付けられていて、ものすごくビックリしました。家族の死なんて、観客をひきつけたりストーリーを動かすには絶好のチャンスだと思いますけど。ジェフゴールドブラムと親父がスクールバスで再開するシーンも「生きてて良かった」的な言葉もなんもない。少なくとも前作では、ジェフゴールドブラムは父親をスゴく心配してましたでしょう。
人物描写に時間をかけてる割にはよく分かりません。お前誰だっけ?って人もいるので、予習は必須かと思います。20年経って見た目は変わってるので、前作を見て名前を覚える事をお勧めします。
あとは派手なシーンも少ないですかね。全長4800キロの母船がやってくるシーンは、何千万人死んでんねんってくらいの惨劇だし面白い。でもそこだけです。面白いと言っても、見せ方はものすごく下手です。前回の宇宙船よりも大きい、という笑っちゃうくらい絶望的な要素を全く活かせてませんよね。こっからどんな酷いことが起きるんだ...とワクワクして損しました。ラストも派手風ですけど、個人的にはデッカい女王が出てきて冷めました。インデペンデンスデイってバケモノ映画だったの?って思ってしまいました。
ストーリーに関しても、何が何だか分からないっす。女王を消せば終了ってのは分かったけど、女王が死んだのに母船が飛んで帰ったのはナゼなのでしょうか?全編しっかり見ていたはずなのに、意味不明でした。しかし全長4800キロの宇宙船を飛ばす科学力はすごいですね。ただ、あんだけ高度で進んだ文明を持っている異星人なのに、なんか下っ端達はアホに見えるのは謎ですね。
個人的には、あーゆー役が本当に多いウィリアムフィクトナーは良かったです。ビル・プルマンの演説も、前作までとは言えないけど良かったです。萌えました。あと中国人推し(出さざるを得ないのは分かるが)の大作はあまり好きになれないけど、今回の女優さんは綺麗でしたね。
総じて駄作です。大きな期待をしていたこちらが悪かったのかもしれません。