オデッセイのレビュー・感想・評価
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当たりの方のスコット監督作品
2D 字幕版を鑑賞した。不運な事故によって火星に一人取り残されてしまった宇宙飛行士が,生還のために知恵を尽くしてサバイバルを繰り広げる異色の SF 映画である。原題は原作小説と同じ “The Martian (火星の人)” であり,これに「オデッセイ (Odyssey)」と別なタイトルを付けているのはどうやら日本だけのようなのだが,むしろこの邦題の方が内容に合っているような気がした。Odyssey は,古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩を起源とする言葉で,「長い放浪からの帰還」といった意味があるからである。あの名作「2001 年宇宙の旅」も,原題は “2001: A Space Odyssey” である。
火星上の映像は,ほとんどが CG なのだろうが実にリアルで,細部まで神経の行き届いた画面は,動く絵画を見ているようであった。火星で1人だけ残されてしまう原因が,猛烈な砂嵐に起因するものなのだが,そもそもあんな猛烈な砂嵐が起こるほど濃厚な大気が火星上にあるわけがないので,かなり無理があると思った。予告では「水なし,酸素ほとんどなし,通信手段なし,食料 31 日分…」とアナウンスがあるのだが,ちょっと話を盛り過ぎではないかという気がした。ソーラーで電気エネルギーが使えるので,室内であればサバティエ反応と水の電気分解を使って火星の大気の CO2 から O2 を作ることが出来るはずだし,O2 ができれば,ロケット燃料は H2 を多く含むので H2O も大量に作れることになる。映画の中でもこうした方法で次々と課題をクリアして行く過程は非常に理に適っていて見応えがあった。
原作は描写が非常に緻密で,まるで自分がその場にいるかのような錯覚に陥るほど面白く,読み応えがあったが,物語の盛り上げ方は,一部を改変した映画の方が上だったように思う。この映画を観た感想としてまず思うのは,とにかく主人公が実に前向きで,いかにもアメリカ的に明るいことである。設定や道具立ては「ゼロ・グラビティ」に通じるものがあるのだが,どう考えても迂闊過ぎるだろうと言う間抜けな行動が目に余った「ゼロ・グラ」とは違って,実にしっかりした行動に好感が持てた。宇宙でたった1人で取り残されたのに,パニックも起こさないのはおかしいという意見もあるようだが,NASA では,人選の際に各種の人物テストを嫌というほどやらされて,孤独な状況に陥った時にパニックを起こすような人物と判断されると宇宙飛行士には選出されないという話である。
役者は,主演のマット・デイモンをはじめ,チョイ役に至るまでかなりの演技派を揃えてあり,これは流石にリドリー・スコット監督の人脈によるものだろうという気がした。「ロード・オブ・ザ・リング」でボロミア役を演じたショーン・ビーンが,秘密の会合を「エルロンドの会議」と言っていたのには笑った。「ロード・オブ・ザ・リング」第1作で,指輪の処分法を決定した秘密会議の名前がエルロンドの御前会議だったのである。脚本家が気を利かせたファンサービスであろう。:-D
物語の設定で,女性船長の音楽の趣味が 70 年代のディスコミュージックということになっていて,火星に残された音楽と言えるものは,船長の置き去りにしたノートパソコンに入っていたそれらしかないという状況のため,本編中に流れる曲はほとんどそればかりであった。まず流されたのがセルマ・ヒルストンの “Don’t Leave Me This Way” だったのに笑った。「置いてかないで」という歌詞は映画の状況そのまんまである。次に流されたグロリア・ゲイナー「恋のサバイバル」には “I’ll survive” というまさにドンピシャの歌詞が出て来た。だが,何故か字幕には歌の歌詞が出て来なかったので,分かる人にしか分からない状況に陥っていたのが残念だった。そうした曲の中にデビッド・ボウイの “Starman” も入っていた。これはアメリカでの公開時期を考えると,訃報とは無縁の最初からのアイデアだったはずなのだが,つい勘ぐってしまうほどタイムリーな選曲に聞こえた。
演出上,気になったのは,あの土の深さではジャガイモは育てられないのではないかということとか,ローバーでの長距離移動中に排泄はどうしていたんだろうとか,宇宙服に穴を開けて空気を吹き出してしまったら,減圧で気絶してしまうんではないだろうかとか,やはり細々とした現実的なことが気になった。また,着陸船の倒壊の危険性をあれだけ煽りながら,はるか昔の着陸船が微動だにせず直立していたというのもかなり拍子抜けであった。さらに,アメリカが宇宙事業で協力を求めるなら,相手国はまずロシアであって,あの国には頼まないだろうというのが気に入らなかった。だが,この作品でのスコット監督は,間違いなく「いい方の」監督であったと思う。
(映像5+脚本4+役者5+音楽4+演出4)×4= 88 点。
良いのを見たなぁ!感。
何故、映画館で見なかったのか後悔しています。レンタルで見たので。
なんてまあ、個人的に好きなものがなかなかそんなどうして詰まっているのでしょうか。SF、宇宙、孤独との戦い、生と死、仲間との信頼、友情。
自宅で見ている間、ドギマギソワソワ、手に汗握り、涙する。そこまで没頭できたのはなかなか無いです。
作中でかかる"懐メロ"と言える曲たち。
特にデヴィッドボウイの"star man"は僕がただ好きでいて曲の意味やボウイの亡くなったタイミングと相まって泣けてしまいました。
とても意味がある。あのタイミングでstarmanを流すのは。
ジェフダニエルズとクリスティンウィグが脇を固めているのもナイスです。
(ただ、mr.ダマーとゴーストバスターズをみて気になっていただけですが)
話に入り込む早さ、没頭度、終わり方、すべてにおいてナイスです。
良いの見たなぁ、感。
インターステラーとはまた違いますぜ。へい!おまち!
面白い
フツーに面白い
火星で1人生き抜くサバイバルもの
ピンチでも持ち前の明るさや知識で何とか乗り切るのであまり危機感なく観れる
途中で流れる挿入歌にも相まって尚更明るく鑑賞できる
ただ最後の脱出シーンは手に汗握る
ラストの問題が起こっても一つずつ解決すれば良いっていうのにここ映画の全てが詰まってます
もっと暗い映画かと思えばめっちゃ明るい映画でビックリしました笑
宇宙兄弟風ランボー?
知識って重要
とても良く考察されたSFコメディ
この背中はどこかで見た事がある。
そうだ、独身生活を心の底から楽しんでいる単身赴任中のサラリーマンだ。
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食料事情をあっという間に克服する植物学者無双は流石に恐れ入ったが、周囲に誰も居ない中、お役御免の火星探査機やローバーを使って地球とテキスト交信したりする姿は引き籠ったネット中毒者ともそう変わらない。
孤独に疲れた彼の抱えるストレスは計り知れないと心配する人々の一方で、'70sに殺されると嘆く姿はとても70億人が還りを待つ人間の姿ではない。
極限状態でも常にユーモアたっぷりに物事を考え、時にはまるで意味の無い哲学を考えたりと、孤独を感じさせない姿勢のお陰で、とても7,000万キロ離れている事は感じさせず、只の逞しいおっさんの一人暮らしライブ配信状態になってしまっている。
彼の諦めない姿勢を終始見せられることで、ふつうはハラハラドキドキするような場面でもなんとかなるだろうと思えるようになり、そこに更にマシンガンのようなユーモアが混ざる事で、孤独に苦しむ重苦しい雰囲気は一切感じさせず、終始楽しい雰囲気を持つ映画となっている。
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しかし、同じマットデイモンでもインターステラーのマン博士とはえらい違いだ。
長かった・・・
おもしろかった
他のレビュー見たら、中国がアメリカ助けるなんてありえない!って意見で非難轟々でしたが、個人的には凄くおもしろかったです◎
全世界が見守る中ワトニー確保された時の感動。良いですね〜
長く感じた
ワトニーかっこいい!
おもしろかった…。
こんな状況でも陽気に振る舞うワトニーがすごくかっこいいし、
そのワトニーが時折みせる不安感とか寂しさとか弱い部分に心臓がきゅっとなった。
最後迎えがきたときのワトニーには、もう本当に胸が震えました。
すごく良い映画でした。また観たい。
科学オタクにおすすめ
邦題悪くないじゃん
原題至上主義の皆さんが「The Martian」という原題を「オデッセイ」っていう2001年ですかみたいな邦題に変えた日本のマーケティングたちにいつものように異論を唱えまくるのを横目に、僕は宇宙映画が苦手なので映画館には行かなかった。
「オデッセイ(Odyssey)」ってのはよく調べてみると「a long, exciting journey」って書いてあるので、映画をよく見てみればこれは正解だろうし、なんて言ったって例えば「火星の人」とか「ザ・マーティアン」とか言われても日本人には刺さらなかっただろうし、個人的には賞賛の気持ちです。
終始船長が持ってきたクソなDisco てわBack to '70だしワトニーは毒舌だし、ともすればポップコーンを食いながら笑って観られるデートムービーではあるんだけど、調査に裏付けられた正確な科学的な描写がものすごい緊張感をうむんだよね。水ってどうやって作るの?クソを肥料に作ったジャガイモはくさいの?プルトニウムは熱いの?いちいち細かな表現から宇宙空間でのパフォーマンスまできちんと正確っぽく描写されてる。これはものすごい説得力をうむし、実際観ている我々と映画との距離が縮まる。実際NASAの監修のもと作ってるというから驚き。
楽しい映画です。
鉄腕DASHに納得
エイリアン、ブレードランナー、ハンニバル、プロメテウス、エクソダス:神と王。
改めて探すとリドリー・スコット監督の作品をそこそこ見ていました。
火星に一人取り残され、如何に生き延びるかを主に描かれていきますが、
作品によっては肝心のスタートラインに立つまでに時間を要する物も少なくはないです。
本作では、開始から取り残される事態に至るまでが早かったので、
そこからどう生き延び、どう救出していくのか、
時間いっぱいたっぷりと描かれていた為、十二分に堪能した印象です。
事故とはいえ、たった一人火星の大地に立つことになり、
放心し絶望しても仕方ない状況下、
生還するまで冗談を言える宇宙飛行士のメンタルのタフさには驚嘆するばかりです。
無論、だからこそ選ばれたと言うのもあるとは思いますが、それでも凄いの一言。
マット・デイモン扮するマークが死亡したと判断し、
残るメンバーと共に火星を脱した船長の判断。
マーク救出手段で揉めるNASAスタッフ。
辛い決断を下さなければならない事態は存在するし、
ましてや本来人が生存し得ない環境のはずの宇宙開発。
事態が事態だけに、誰も間違った判断をしているようには思いませんでした。
生きている人間を帰還させる。ただ死ぬだけでは終わらせず、次に繋げる。
こうした人達の努力と献身によって一歩ずつ開発・開拓が進み、
世界が大きく広がっていくんだろうと強く感じました。
終盤の火星脱出と救出シーンでも、映画を見ながら久々に手に汗を握りました。
宇宙服に穴をあけてアイアンマンとか、
気になった点がなかったわけではないですが、
ゼロ・グラビティほど露骨過ぎでもなく、終始それでもなかったので許容範囲と思いました。
中国の台頭も唐突過ぎな印象を受けましたが、
盛り上がりの一つとして一応は納得もしました。
夢がある
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