「物語の作り方が巧み」オデッセイ 優勢さんの映画レビュー(感想・評価)
物語の作り方が巧み
話題作という事で、一見の価値ありと久々に映画館で視聴。
一言で言うなら良作。
火星に一人取り残されるという絶望的な状況を、マットデイモン演じる陽気な主人公が、持ち前の明るさと知識とポジティブシンキングで生き抜いていく。
どの様にして火星で暮らして行くのかは、是非とも映画館で、あなたのその目で確かめていただきたい。
一つこの映画を見ていて特異だと感じたのは、主人公が独り身であるという点。
「宇宙に取り残される」というテーマから連想されるのは、地球で暮らす愛する家族が心配する描写、或いは家族との感動の再会。
僕も見る前は、其処こそが泣くポイントだと頭の隅に置いて視聴していた。
しかし、この映画にはその様な描写は一切と言っていいほどない。
この映画にあるのは、宇宙に情熱を傾ける世界中の人々が彼を助けようと必死に試行錯誤する描写と、懸命に生き抜こうとする主人公の雄々く逞しい姿だ。
ありきたりな物語ではなく、作り手がこうあるべきだと思ったものを作る姿勢は見ていてとても気持ちが良いものだ。
この映画が評価されている点は、とどのつまりこのたった一つの意外性なのではないかと思う。
ただ一つ困った事があるとすれば、この映画を見始めてしまえば、二時間半はトイレに行けないって事ぐらいだろう。
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