「かるたの神様に愛されし映画」ちはやふる 下の句 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
かるたの神様に愛されし映画
待ってました、「下の句」!
待ちわびてこの間にアニメ版も見ちゃったぞい!
なるほど、確かにはしょられてる部分や脚色されてる点も多かった「上の句」。
千早のかるたへの情熱の源である小学生時代のエピソードはほとんどカット、新の「俺はもうかるたをやらん」のタイミングも違う。
千早役には三吉彩花とか新川優愛とかモデル体型のスラリとした美人の方が良かったかなぁ、とか。(勿論、広瀬すずの演技力に関しては文句無いけど)
さて、「下の句」も前半部分はかなり大胆脚色。
不満点から一気に述べてしまおう。
まず、団体戦でも優勝!個人戦でも優勝!…の強欲さが千早なのに、ブレまくってらしくない。
その理由に新の存在があるのだが…、千早と太一と新の三角関係がもっと巧みに展開するのかと思ったら、前半部分だけに留まってしまっている。
太一がA級になるのが早過ぎっ! なかなかA級になれないのが太一なのに~!
特に残念だったのは、全国大会での団体戦がちゃんと描かれていない事。せっかく「上の句」で育まれたチームワークが…。
…などなど、挙げたらキリないが、幾つか例外として、映画的脚色としては悪くない。
「上の句」が青春映画の王道ならば、「下の句」のテーマは、自分はどうかるたと繋がっているか。
たった一人で何もかも背負い込んでいた千早だったが、自分がどうかるたと繋がっているか模索すると同時に、チームとの繋がりも再発見する。
劇中で言う所の、個人戦でありながらの団体戦の繋がり。
チームとしての繋がりは深い意味でしっかり描かれているのだ。
その繋がりやかるたへの向き合う姿が、新を再びかるたへ向かわせる。
それと対となる存在として…
いよいよクイーン登場!
圧倒的に強く、美しく、競技かるた現最強クイーンとして恐れられているこの若宮詩暢役に、可愛らしいイメージの松岡茉優じゃ荷が重いんじゃ?…とアニメ版を見ちゃうと思っていたら、
これがドハマり! 期待以上!
ツンツンとしたクールさ、チクチク突っ付く毒舌&気の強さ、ヒヤリとすらさせる“クイーンスマイル”も披露。
その一方、Tシャツインのダサい私服姿、実は可愛いマスコットキャラ好き(スノー丸Tシャツも完璧再現!)なギャップある不思議ちゃんな面もしっかり演じ分け、萌えてまうやろーーーッ!!
京言葉も見事。
たった一人でかるたと向き合うクイーン。
チームと繋がる千早と対となる強敵として、その存在が際立つ。
欲を言えば…
初登場シーンは近江神宮の階段で千早とすれ違うあのシーンにして欲しかった。
最強であるが故の孤高さにも触れて欲しかった…かな。
前半はちともたもた。
しかし、クライマックスの千早vsクイーンの頃には、すっかり興奮!白熱!
何だかんだ言って、やっぱり今作も楽しんでしまったのだ。
何だかんだ言って、やっぱり実写版も面白いのだ。
嬉しい事に、続編の製作が決定!
よっしゃあああ!…と思っていたら、来年撮影開始。
何ですと!? 来年公開じゃないの!?
気長に待つか…。
新入生入って来るのかなぁ~。
周防名人登場するのかなぁ~。
アニメのサードシーズンはやらないのかしら??