「下の句も悪くない、まだまだ見ていたい気にさせられた」ちはやふる 下の句 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
下の句も悪くない、まだまだ見ていたい気にさせられた
競技かるたの魅力とそれに青春全部懸けて挑んだ各キャラクターの魅力を存分に描き切った上の句が予想以上に完成度の高い作品だったので、それと比べてしまえばやや落ちる気はしないでもないですが、新たなキャラクターの登場や、かるたをする意味を問うストーリー構成を軸に更なる高みを目指したメンバー達の奮闘ぶり・成長ぶりには、何だかんだで思わず見入ってしまいました!
個の力で最強クイーンの座に君臨する若宮詩暢、仲間との繋がり・絆で個の力に挑む千早達、この構図は最高に見応えがありましたね。
欲を言えば、何故詩暢は個の力に拘ってきたのか、その辺まで描いてくれれば尚良かったのですが。
しかし詩暢を演じた松岡茉優の存在感、演技力はさすがの一言。
凛とした佇まい、そして涼やかで冷たさすら感じるあの表情、まさに最強クイーン、ダサいファッションとタオルネタのお茶目さたっぷりなギャップもたまらなくいい!
やや中途半端な結末も、彼女の存在感で溜飲が下がった面は多分にありましたね。
一方、仲間と共に戦う千早側の方は、まあ正直上の句の描き方が素晴らしすぎたので、もう一押しの感は否めませんでしたが、何故かるたをしてるのか?その意味を問う展開には何気にグッと来るところもあって、上の句ほどではないですが今回も感動しました!
また師匠役の國村隼が上の句同様ピンポイントでいい味出してくるんですよね。
脇役三人組のチームメイト、肉まん君、机君、奏ちゃんの存在感も相変わらず素晴らしかった。
上白石萌音は本来脇でこそ存在感を発揮するタイプなのかも。
奏ちゃんのおかげで、歌に込められた思いも十分伝わってきて、より一層味わい深い作品になったと思いました。
ただ、下の句は恋愛要素がより一層薄くなってしまったのは賛否両論でしょうか。
完全にスポコン青春ドラマと化していましたからね、ってまあ個人的にはこの作風だからこそ楽しめたところもありましたが。
まだまだ見ていたい、と言うかこの結末ではどこかスッキリしない、と思っていたら何やら更なる続編があるようでとりあえず一安心。
続編では更なる進化を遂げた広瀬すずの演技に期待しています。
いい意味でたどたどしい演技が妙に味となった真剣佑には逆にこのままでいて欲しい思いも(笑)