ドローン・オブ・ウォー

劇場公開日:

ドローン・オブ・ウォー

解説

「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督とイーサン・ホークが再びタッグを組み、無人戦闘機ドローンにより、戦地に行かずして空爆を行う現代の戦争の実態と、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しめられるドローン操縦士の異常な日常をリアルに描く。アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐の赴任地は、美しい妻とふたりの子どもと暮らす住宅街のマイホームから車を走らせ、歓楽街を抜けた場所にあるラスベガスの基地に設置されたコンテナの中にあった。そこで無人機ドローンを遠隔操作し、1万キロ以上離れた異国をクリック1つで空爆をする。ゲームのような現実感のない戦場と家族の待つ家との往復、それがイーガンの日常であり、異常ともいえる現代の戦争の姿だった。

2014年製作/104分/R15+/アメリカ
原題または英題:Good Kill
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場公開日:2015年10月1日

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映画レビュー

3.5タイトルなし

2021年12月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

テロと民主主義の戦い?
命令だから仕方がない?
シビリアンコントロールは?
法の支配は?

映画としては今ひとつ深み、広がりに欠け、残念。

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hato

5.0善きサマリア人のたとえ

tさん
2021年8月9日
PCから投稿

あまり期待せず観たから?
結構面白かった。

ネバダ州のコンテナの中から無人機により爆撃する様子が描かれている。まさにTVゲーム。映像だけ。着弾時の震動も爆音も死体の匂いもない。地上を歩いている一般人をロックオンしてスイッチ押すだけ。軍事スキルは要らない。なぜ軍人にやらせているのか?が謎。

他方、ネバダ州といえばベガス。広大な砂漠。コンテナの外は「ザ・アメリカ」。このギャップが上手く描けていた。

主人公はとても倫理的な人間。病んでゆく。病んでゆくだけのお話です。

もし私が同じ立場であれば、あの主人公のように病むのだろうか?

ゲーセンのコンテナみたいな無人機による爆撃ゲーム。気に病むことなくポチポチとゲームのスイッチを押す。多分、そういう人間の方が圧倒的な多数派だろう。なぜなら「殺した」という感覚が何もないから。

人が倫理を取り戻すために、リアルで人を殺したり殺されたり、したほうが良いのかもしれない・・・と言うと狂人扱いされる。だが、この映画を観て、あなたはどう思うだろう?少し考えてみて欲しい。「殺し」の無い世界。ある世界。どっちが良い世界なのだろう?

主人公はカトリック教徒だ。作中、キリストが張り付けになった十字架が何度も描写される。

どういう意味があるのか?

私なりの答えは多分「善きサマリア人のたとえ」にある(まぁ人によって様々な解釈があることを踏まえて、あえて書く。もちろん違った解釈もあると思います)。

スイッチを押せと言われて、素直にポチっと押して人を殺せる人間。スイッチを押せと言われて、それを受け入れられずに精神を病んでゆく人間。

あなたはどちらを隣人にしたいですか?

現代のアメリカは「スイッチを押せと言われて、素直にポチっと押して人を殺せる人間」が次々に再生産される世界になりつつある。

この映画の中で十字架が繰り返し描写される意味は、こうしたアメリカ社会に対する批判が込められているように思える。

アメリカはキリスト教原理主義国家といっても過言ではない。映画による政権批判も、キリスト教の教え、を軸に行われる。

「倫理を教える」ということはとても難しい。「善きサマリア人のたとえ」も、単に読んだだけでは、それが指し示している意味は真に理解できない。こうして映画を通じた体験が、真の理解をするための助けとなる。

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t

3.0今ここにある戦争

2021年4月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

これが、未来の戦争か…?
否! すでにもう、“今ここにある戦争”だ。
だからこうして、映画として描かれる。

ターゲットをロックオンする。
だが、派遣された海外の現地ではない。
米国内。基地内。コンテナの中で。
監視も攻撃もドローンによって。たった発射ボタンを一つ押すだけ。
一日の任務が終われば、普通に帰宅。家族と過ごす。
そして再び任務に就く。
現地で敵兵に狙われたり、命の危険に晒される事などナシ。絶対安全。
だが…
ただドローンによる遠隔操作で映像を見て、標的を無情に攻撃。それこそ本当にゲーム感覚。
そこに感情は無い。
例え現地の一般人が暴力を振るわれても、助けてやる事など出来ない。ただ傍観するだけ。
それが、任務だから。
ただただ無情に、命令通り標的を殺す。
やられる前に、やれ。

死と隣り合わせの戦地で精神をすり減らし、陥る戦争後遺症=PTSD。
それは、絶対安全なこの戦場でも。
一体何と戦っているのか、自分は何をしているのか、任務と現実の境すら分からなくなってくる。
やがてそれは家族関係にも影響を…。

アンドリュー・ニコル×イーサン・ホーク。
その昔、『ガタカ』で近未来の管理社会を痛烈に描いたコンビが、本作ではドローンを使った戦争の実態とそれによって苦しむ兵の姿をリアルに描く。
派手さも無く、どちらかと言うと全体的に静かなタッチ。
PTSDに苦しめられても、兵たちは何かを犠牲に“今ここにある戦争”を続けなければならない。
ゾッと恐ろしい作品でもあった。

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近大

3.0平和のために

2020年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「ゼロ・ダーク・サーティ」からのこちら。
こっちのCIAはクソ野郎。

職業としての軍人というか、
この作品ならではの反戦メッセージがあったと思う。

攻撃されるかもしれないから先に殺しとく。
そういう暴力の連鎖の上に、僕らの平和が成り立ってるんだろうか。
とりあえずイスラム圏に生まれなかったことを感謝したい。

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mar