「強く気高く美しいヒーローの跳躍」ワンダーウーマン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
強く気高く美しいヒーローの跳躍
Blu-rayで鑑賞(吹替)。
原作コミックは未読。
DCEUの2作目「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」で初登場した女性ヒーロー、ワンダーウーマンの単独主演作。時系列的には時代を遡って、第一次世界大戦真っ只中を舞台に彼女のオリジン・ストーリーが描かれた。
世間から秘匿されたアマゾン族の島で暮らし、外界のことを知らずに育ったダイアナ・プリンス。
戦闘訓練でずば抜けた実力を発揮し、美しく聡明だ。体現したガル・ガドットの演技が良い。
偶然島に不時着したアメリカ軍のスパイである青年と共に、戦争終結のための戦いに挑む中で世界を知り、人を知り、初めての恋を知る。
そして、己の真の使命を悟るのである。強敵との死闘、悲しき別離を経、大きく成長したことでヒーローへと覚醒していく姿に胸が熱くなった。
DCEUの作品群の中では、これまでのハタメタ感はいったいなんだったのかと思うほどに、出色した面白さを誇っている。一矢報いた感じだ。
「ジャスティスの誕生」では、事件の裏で行動する理由がハッキリと描写されなかったため、無理矢理出した感に冷めた視線を送っていた。本作を観たことでその理由の一端が垣間見えた気がする。
戦争終結のために尽力したように、初めて愛した男が救おうとしたこの世界を正しく導くため、そして大いなる悪意から守るために、彼女はずっと戦い続けているのかもしれないなと思った。
私は、歴史を動かして来たのは女性の力ではないかなと常々感じていたものだから、ワンダーウーマンはそれにピッタリ当て嵌まる存在だと思った。この映画そのものも歴史を動かそうとしている。
キャストとスタッフの多くが女性と云うのは映画史的に、もとい歴史的に、特別な意味合いを持っているだろう。これが「画期的な出来事」と言われない世の中が早く訪れて欲しいものである。
[鑑賞記録]
2018/07/08:Blu-ray(吹替)
2025/11/24:ムービープラス(字幕)
*修正(2025/11/24)
ガル・ガドットの美しさ、しなやかな体躯、これらがなければ成立しない部分が多いと思います。
MCUの「ブラックパンサー」しかり、世界の抱える諸問題を提議して、人々の常識や価値観を覆すような作品を送り出しているのが、アメコミ原作のスーパーヒーロー映画たちであることが、大きな意味合いを持っているように感じます。
皆が渇望していることを的確に捉えて、映画という形にして提供するというのが、一番重要ですね!
DCにとって救世主になりましたね。
昨年ハリウッドはセクハラ問題に揺れ、強い女性を描いた本作は、個人的にアカデミー賞にノミネートされても良かったんじゃないかと思ってます。
本当に続編が楽しみですね♪(^^)

