「ドイツ兵がわりと気の毒」ワンダーウーマン はりおさんの映画レビュー(感想・評価)
ドイツ兵がわりと気の毒
戦闘シーンはさすがの華やかさで見ごたえがあった。しかし全体的になんか結果オーライでまとめた感があるかな…。
あとお母さんはダイアナにもうちょっと情報与えてあげてやりなよ…と思った。まぁ大事な一人娘だし気持ちはわからんでもない。そういう感情的で目先のことにとらわれがちなところはダイアナも似てるような気がする。なんとなく先々を見据えて決断するのが苦手というか…まぁ神話の人物ってかんじ。
ドイツ兵(特にモブ)はわりと扱いが可哀想かなぁ、敵からも味方からもなんだか…。ストーリーの都合上イギリスに踊らされた感じになってしまってなおさら気の毒。それに第一次世界大戦のドイツの割になんとなく印象が悪に偏りすぎてないかなぁ。ちゃんと整理して見れば極端なのはルーデンドルフだけなんだけどね。一般の兵士は職務を全うしてるだけだし、上層部なんかはちゃんと休戦に向かってたし、ドクター・マルでさえ欲望はさておき休戦なら多分従ったと思うんだよね。
正義だなんだといいつつも神々の戦いに人間がガンガン巻き込まれていた感がすごい。戦争だし殺し合いが可哀想とはいわないけれど、彼女にとっては障害でもなんでもなさそうなドイツ兵が一時的な怒りに任せて殺されていく様はなんだかな。戦う以上ぬるいことはしないというのは素晴らしいとおもったけども、アレスを倒して悪に支配されたドイツ兵も救う予定じゃなかったっけ…。別に殺さなくていい人は殺さない…みたいな心がけがあるわけではないのね…。
神話はいつも理不尽だし彼女がまだ精神的に未熟な面があったというのはそうだろうけども、人間の命って軽いなぁ…。無尽蔵に殺されゆく戦争をみて嘆いていた割に、自分もその殺戮に与していることに責任感を持っているのか疑問が湧いてしまったシーンだった。
封切り前、ワンダーウーマンを女の子扱いしてる日本の宣伝に文句が湧いてたけど、実際見てみるとまぁ無理もないかな、というかんじ。しかし宣伝も女の武器で戦うとかそういう意味ではなかったし(一人じゃ寝られんとかいうのは言い過ぎだけど)、戦士であり一人の女性であるというのをストレートに表現してあったからそんなに見当外れではなかった。フェミや男女平等というのは女性を男性として扱うということではないということがわかっていない人が多いから宣伝に対する反発が大きかったのかも。
敵であるドクター・マルなんて顔に傷を抱えながらも(助言があったにしろ)実力でのし上がってきてるし、どうせならもっと彼女にスポットを当ててほしかった。そして純粋に可愛かったし個人的な好みとしてこの映画で一番好きになったキャラだった。
あ、あとED後におまけはないのね、ジャスティスリーグに関して言及したりするかな?とか思ってたところがあったので、うぉっ!なかった…!ってなってしまった。まぁなくてもいいんだけど。