「ワンダーウーマンが世界を救う。」ワンダーウーマン taiaさんの映画レビュー(感想・評価)
ワンダーウーマンが世界を救う。
試写会で見に行きました。
DC関連はジャスティスリーグをアニメで見たことがあって、アベンジャーズが公開した頃から始動を今か今かと待っていました。長かった…。
アカデミー賞の話が出ているくらい評価されている本作、本当にDCEUのひとつではない単体作品として注目したい作品です。
それほどストーリーとメッセージ性が優れていました。
ワンダーウーマンことダイアナはアマゾン族のプリンセスとして日々勉強と訓練を受け、伝説の軍神アレスを倒しさえすれば、世界の平和は取り戻せると信じています。
対する米軍のスティーブ・トレバーは、WW1の当事者であり、戦争がそんな単純なものではないことを知っています。しかし、ダイアナの強い信念と通じるものを持っており、目的のために犠牲を払うのではなく、目の前の不正をひとつずつ正すことこそがあるべき姿だと心の中では思っています。組織の中に身を埋ねて、信念と逆のことをしながら。
そんなトレバーや人間たちを見て、ダイアナは少しずつ、世界が自分の理想と違うことを知っていきます。軍神が消えたところで人間は戦争をやめない、意味もなく、傷付け合う生き物だと。
正直どこから褒めちぎれば良いか迷っているのですが、ダイアナ役のガル・ガドットは当然として、スティーブ役のクリス・パインも間違いなくベストキャストだと思いました。
スティーブは米軍のスパイで、課されている任務があります。逆にいえば、任務を遂行するためにそれ以外のことをするのは得策ではないのですが、目の前の不正を冷静に切り捨てられずにいます。
そんなスティーブにダイアナは躊躇なく抗議し、自分の信じる道へと導いて行きます。無人地帯のシーンはまさにその代表です。
そしてその対となるように、後半スティーブの言葉が、ダイアナをあるべき姿へと導いてくれます。
この時のセリフが揃いも揃っていいです。きっとダイアナはジャスティスリーグの一員になる今でも、スティーブの言葉をワンダーウーマンである意義としていると思います。
アメコミ系はストーリーよりも他作品との繋がりと勢いを楽しむ映画が多い中、ワンダーウーマンは単体作品として完成度の高い、アメコミ映画のポテンシャルを大きく変えるとになる作品です。
ぜひ、お金を払ってもう一度見たいと思わせてくれる作品でした。