「悪党じゃない」スーサイド・スクワッド マトレーさんの映画レビュー(感想・評価)
悪党じゃない
タイトルの通りですが、シャバで散々悪さしてきたならず者たちの寄せ集めが「スーサイド・スクワッド」もといタスクフォースXなのにもかかわらず、メンバーはみんなアメリカ映画に出てきがちなちょっとドギツイ性格のタフガイなだけなんですよね。
特にデッドショット。
暗殺の仕事は十分凶悪だとは思いますがそれ以外で狂気性を感じるものが何もない。
これは映画を観ているという感覚の僕としては悪いインパクトには欠けるんです。
仕事以外では良いお父さんの顔なんですよね。
そしてこれが一番の問題なんですが、ウィル・スミスに悪人は無理だと思います。
全然悪い感じがしない、溢れ出るナイスガイ感。笑
いつものウィルです。銃の腕前は過去イチですが。
しかし悪そうじゃないということを諸手を挙げて突っついてもしょうがないので主演のウィルをやり玉にあげるだけで他は割愛。
みなさん書いている通りマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインはとても良かったです。
声のトーンや表情言動、仕草を一つ一つ見ていってもハーレイ・クインというキャラクターを理解している気がしました。
キャラクターそのものの造形や存在感がそのまま映画の評価に繋がってくるコミック原作モノではこれはとても重要なことです。
この作品もそれで首の皮が繋がっているという側面もあると思います。
なぜならスクリーンの中で起きていることがイマイチ掴みづらいからです。
ストーリーを語っている顔が全然こっちを向いていない気がして。
何が起きていて何を知っているのか登場人物側とスクリーンのこっち側で齟齬をきたしている感じがありました。
それだけに物語の転換点も感じにくいという。
アクションは僕個人は好きです。
ガンアクションや肉弾戦と比べて特殊能力攻撃の描き方がちょっと雑かなとは感じましたが、画としてはとても派手だったのである程度満足です。
DCエクステンディッド・ユニバースにおいてこの『スーサイド・スクワッド』がどういう立ち位置になっていくのかまだ分かりかねてるところはありますが、他のヒーロー映画と関わっていくのか楽しみです。