「コメディだと思えばね」スーサイド・スクワッド ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディだと思えばね
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嫌な予感がしていたけど期待値でなく基準値を遥かに下回る仕上がりでビックリした。悪人しか出てなくて誰かに寄り添えなくても、芯のある作品なら楽しかったんだろうがそうではない。だからエンドロールが始まると速攻で出て行く客が多かったのはよくわかるし、その後のベン・アフレックの小芝居もどうでもよかった。
金に汚い殺し屋(だけど娘には弱い)、頭の弱いビッチ(だけど一途)、自身の邪悪さを恥じているギャング(でもキレると強い)とかの二面性で主要キャラを固めた結果、全員がよくわからない人になって行動原理とかも理解不能、というか描こうとすらしていない。潔いのではなくただ酷い本だと言える。
彼らの邪悪さこそが武器になるぶっ飛んだハナシにしなかったのが失敗だろう。悪人が更生しそうになったりとかブレすぎで、悪人じゃないカタナの造形も酷い。まあそれでもアメリカ兵の護衛を日本人がやるという構図は笑える。あっさり離れるけども。
繰り返される「エンチャントレス‥」は笑うところだよね。「はあ?名前呼ぶだけ?笑」てなるし。そしてクライマックスはなんと魔女との格闘戦が繰り広げられてポカンとさせられて、しまいには「もういい!」てなる。ここが一番笑えたかな。メタ的に。
『フューリー』ではそれなりの作家性を感じたデヴィッド・エアーだけど、スナイダーが絡むとロクなことにならないな。
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