「死霊の盆踊り」スーサイド・スクワッド 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
死霊の盆踊り
いやもうこの映画は、マーゴットロビーかわいかったー!の一言で済ますべき映画で、ウダウダ書くのは野暮もいいとこなんですが…。野暮ですみません。
—
2014年に大ヒットしたマーベル『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。まるでアメコミ版『特攻大作戦』みたいだねと言われていたけども。
それに対抗してか何だか知らないけど、今度はDCが『特攻大作戦』的な『スーサイド・スクワッド』を出してきたという。
予告編は、ノレる音楽、キャラのたった登場人物など『ガーディアンズ〜』を意識してんなあーという感じ。
だけども『ガーディアンズ〜』が上手くハマったのは、ジェームズ・ガン監督のユーモアとセンスの良さがあってこそ。本作監督のデヴィッド・エアーには、ユーモアなんてものはありませんよ。大丈夫なの?何で頼んだ?という危惧。
で、やっぱり大丈夫ではなかったようで。
ハリウッドリポーター誌などによると、明るい感じの予告編はとても好評だったのだが、エアー監督の本編が暗くてどうにもならんということで…。急遽、スタジオ側が、予告編チーム(Trailer park)に本編も編集し直させたらしい。その後のテスト試写でも、監督版よりTrailer park版の方がウケが良くて、そっちよりの映画になったらしい。そのため、いろいろ撮り直しも必要だった模様。
そんなこんなで、切貼り感がハンパないです。
シーン毎のトーン(照明とか)も合ってないし。編集が雑とか、最早そういうレベルではないような。連続ドラマの下手な総集編を見てる感じ。物語に入り込むというよりは、こんなことありましたよーと告知されてる感じ。チャプター内の盛り上がりはあるんだけど、次のチャプターにつながっていかない。人物紹介だけでなく、親子愛とか恋愛とか入れ込む要素が多すぎて消化しきれてない。結果、予告編の勢いもエアー監督の個性も活かせない、どっちつかずな感じ。ガタガタと建付けの悪い映画だなあと。
何だこれは?と怒るよりも、むしろ諸々の作業が納期に間に合って良かったねえとホッとしちゃう感じ。
ヤケクソで話をつないでいく、余裕のない感じ…この映画の作りこそが特攻だなあと思う。
—
個人的に一番えっ?何?これで本当にいいの?と思ったのは、編集とは関係ないけど、魔女(死霊)の腰クネクネダンス。物語の佳境にぶっ込んできて、笑ってほしいのか、何なのか?
『ガーディアンズ〜』を目指したはずが、行き着いたのは『死霊の盆踊り』だったという。
—
ここまで悪口しか書いてないが、なんだろ、不思議と憎めない映画。むしろ個人的には好きな映画。
映画の建付けの悪さを、身体をはって目眩ますマーゴットロビーの侠気。素晴らしいなあ。
クネクネダンスのカーラ・デルヴィーニュも、健気で良い。本来はオシャレなセレブなのになあ。これでファンになった。
炎男もうざいんだけど、コップのシーンとか何か可愛い。
パンダとか、タイトルの入れ方とか、いちいちダサいんだけど、そのダサさにホッとする感じ。
あと、多少なりとも、ホォーとなるカットはいくつかある。これだけ切貼りされてもホォーっとさせるんだから、エアー監督も頑張ったよねと無理矢理にでも誉めておきたい気持ちにさせる。個人的には楽しい映画だった。
—
追:元々の『特攻大作戦』って、囚人たちが悪党っていうよりも、その上司(この映画におけるヴィオラ・デイヴィス)の更に上が一番悪党で非情って話だと思うんだけど、そういう怖さは1ミリもなかったなあと思います。
追2:エアー監督は地味な警察ドラマとかが、一番向いていると思うよ〜。
コスパーさん、コメントありがとうございました!
知ったかぶりで色々書いてすみません。m(_ _)m
私もB級映画好きです!スーサイド、粗はあるけど個人的には何だか憎めない映画でした。
エンドロールは、今後公開予定のDC映画を示唆する感じだったのかなと思います。
ボクは予告編に惹かれて観に行きましたけど、あれ?あれ?て感じでした。裏事情は知らなかったので納得しました。詳しく説明ありがとうございました。もう少しPOPな感じを期待していたので残念でしたけど元々B級アクション映画が好きなので、けっこう楽しめました。それと、最近流行り?のエンドロール後の1シーン。何なんでしょうね。