「期待ハズレ」スーサイド・スクワッド TKTYさんの映画レビュー(感想・評価)
期待ハズレ
結論から言うと退屈でした。
いくつか理由があるのでそちらを書いていきます。
1:「悪党」という特性が消えている
凶悪犯罪者、という触れ込みで集められたはずが、首に埋め込められた爆弾のせいで特に派手な行動を出来ないまま終わってしまいます。
デッドショットは娘想いでハーレクインの逃亡も助けてしまう仲間想い。
ディアブロは人を殺したくないの一点張り。
キラークロックは見た目だけで言動も行動も特に目立たず。
ブーメランは仲間を信用しない信条のはずなのに、ハーレクイン逃亡を助けたデッドショットに向けて嬉しそうに笑顔を見せる。
自由奔放に悪役を演じられていたのはせいぜいハーレクインくらいでしょうか。
レビューでハーレクインのキャラが良かったと言われているのはそういう事だと思います。
2:お粗末な戦闘シーン
敵の雑魚キャラは真っ黒なのですが、
真夜中、それも雨の中戦うもんだから相手の動きが見辛い見辛い。
それとすったもんだしているスーサイドスクワッド側も何しているのかイマイチ分かりません。
あとボスキャラは異世界の神のような力を持った敵なのですが、どうやって倒すのかと思ったらまさかの爆弾で吹っ飛ばすというオチ。
あれだけ特殊部隊がボコボコにやられていたのに、近くにいたスーサイドスクワッドにはノーダメージの爆弾ごときで倒せてしまう相手には見えませんでした。
3:超ご都合展開
ご都合展開が多すぎます。
例えば
ヘリで墜落しても生きているジョーカー。
エンチャントレスが死んでも生きてる考古学者のおねーちゃん。
爆弾に巻き込まれたはずなのに生きている描写がされたディアブロまたは敵。(そのくせその後は登場はしない)
あっさり解除できてしまう爆弾。
どれもこれも唐突に脈絡なく発生しますから、ついていけません。
4:感情移入できない回想話
アメコミにはご都合展開はつきものですが、都合よく助かって安堵感や納得を覚えるのはそのキャラに感情移入しているからです。
今回はキャラが多いため薄く広くしか回想を語られないので感情移入出来ません。
不自然なタイミングで必要のない回想を唐突に語られるカタナ。
家が燃え尽きるほどに怒ったはずなのに妻の死体はキレイに残っていたディアブロ。(それを聞いて真剣に泣いているデッドショットを見て笑ってしまいました)
演出、ストーリー、設定
どれも酷かったです。
この映画の価値は音楽とハーレクインの魅力的なキャラだけだと思います。
もし次回があるなら、ハーレクイン並にぶっ飛んだキャラにした方が「悪役」という設定が活きると思います。