劇場公開日 2016年9月10日

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「スミスが“脇に回る勇気”を、ハーレイ・クインを主役にして、リック・フラッグをシャイア・ラブーフに、ジョーカーをもっと出せば良かった!!」スーサイド・スクワッド 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スミスが“脇に回る勇気”を、ハーレイ・クインを主役にして、リック・フラッグをシャイア・ラブーフに、ジョーカーをもっと出せば良かった!!

2016年9月11日
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鑑賞方法:映画館

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クイーンの“ボヘミアン・ラプソディー”がガンガン溢れる予告編(テンションめちゃくちゃ上がりますよ!https://www.youtube.com/watch?v=CmRih_VtVAs)、公開直前の大不評(それはこちらで!https://cia-film.blogspot.jp/2016/08/suicide-squad-2016.html)で期待が上がって下がってで、もはや期待値ゼロ状態で映画館へ行きました!ほんとは地元の映画館の2Dモードで見る気でしたが、やっぱDC映画だし、4DXで行くかと直行。そしたらまあ、意外なことに言うほど悪くはなかったですね。

勿論大ブーイングが起こった訳も察しました。話がまず内輪揉めに収まった感はあるし、アンサンブル劇を掲げる割には、他キャラの存在感の無さ。スターに気を使ったのか、悪い意味で出ずっぱりで、アイスコープマスクの出番も片手で数えるまでもないほど。しかもキャラ紹介にバカ真面目に時間かけ過ぎ。バットマンに逮捕されたキャラが数人いるんだから、イチイチ個別にバットマンとの絡みを入れる必要がない。どうせだったら“捕まえたのは?”“バットマンよ”でほんと十分。キャラの紹介なんてのは概要だけを聞ければ良いし、実力紹介場面なんざ、任務中にたっぷり見れる。だからサクッと紹介して、さっさと本題に入れば良かった。あれのせいでテンポ悪いなと見ながらほんと感じたよ。

あと題名にしたように、ウィル・スミスの出番が多すぎ。エアーの言う“父親的”なキャラが隊に必要であっても、さすがに出番が多すぎて、アンサンブルの破綻招いてる(いちいち過度に世話焼きする親バカじゃないんだから)。こういう集団劇においては如何に少ない出番の中で、“輝けるか”がキモのはず。特にスターは登場したら無条件で輝くから、敢えて引きに回れる余裕と賢さが生命線!それをまだウィル・スミスは申し訳ないが習得してない(同じスターでもトム・クルーズとブラッド・ピットは習得してる。トムは『大いなる陰謀』で、ブラピは『イングロリアス・バスターズ』で)。折角キャリアで珍しいヴィラン演技の挑戦なのに、決して悪くはないだけに尚更残念でならない。

あとリック・フラッグがキナマンでは何か足りない。どう見たって悪党集団率いるほどの雰囲気ないし、しかも良い人臭が強く出過ぎて説得力がない(躊躇なく悪党たちを殺せるほどの気迫というのが)。
じゃあ何で“シャイア・ラブーフ?”と思った方の為に言うと、こちらに理由が載ってます(https://cia-film.blogspot.jp/2016/09/shia-labbeouf.html)。オファーはエドワーズらしいですが、もし彼がリック・フラッグなら絶対“最高”の役でしたよ!ラブーフは何といってもトランスフォーマー、アリア(『イーグル・アイ』の“彼女”ですね)といった化物たちに巻き込まれた前歴お持ちですからね!そういうときが輝きますから!

あとジョーカーの出番の少なさ、これもどうも頂けない!いやすごく可愛いところは見つけられてよかったよ。(ノーラン監督の『ダークナイト』でのジョーカーにも言えることだが)基本的にジョーカーってオレは“寂しがり屋”だと思う。“一人で破壊活動なんてヤダ!張り合いがない!”っていう思考回路で凶行を重ねる子供っぽさがジョーカーにはあると思うし、ハーレイ奪還に燃えるところも、バットマンで言うところのロビンと同じ位置だと思うし、おそらくキャラ設定は文句ナシだと思う。でもせっかくジャレッド・レトが気合い入れてハッスルした新ジョーカーの暴れっぷりをあれだけで済ませるのは、ほんとマジで“正気か?”。次ジョーカーが暴れるときがスッゲー楽しみだったのに、レトもガッカリで降板意思が噂されるほどってのは…ワーナー、しっかりしてくれよほんと。あれだけってのはねえ…。

ほんとこれだけ不満レビュー、書けば十分と思うだろうけど、どっこい映画にゃ良いところもタップリ発見できました!その筆頭はハーレイ・クイン。いやもうこれ完璧でしょ!マーゴット・ロビーの声もボディも恰好もヴィジュアルもすべて!他に誰が思い浮かぶ?と断言できるハマリ役!!正直彼女で映画の不満がどれだけ忘れることができたか!それだけでも感謝レベルの一世一代のベストキャスティング(過大評価と言われる覚悟で言うけど、ヒースのジョーカー以来の本物)!!

あとね意外と健闘したのが、ジェイ・コートニーのキャプテン・ブーメラン!下品・不潔が擬人化したと言えるかもしれない見た目、空気読めない言動に、ハメて確認のダシにするとこ。いやはやここまでオツムが飛んでるキャラはもう見てて楽しい。で、意外とディアブロを庇う粋な一面とか、コイツ中々面白いし、楽しいし、可愛いよ!こちらの役者さんはやっとハマリ役に出会えたでしょ!だってこんなに魅力スパークさせまくってるんだからさ♪

あとはそう!ベン・アフレックがすっかりバットマンだったこと。それとヴィオラ・デイヴィスの振り切った外道ぶり!これを目当てに見に行くなら、時間を無駄にしないと思うよ!

大分長々と書きまくったが、要約すると“期待値を事前に上げて、最後に下げろ”!そうすれば無の境地で前情報をリセットできる!それで見て面白いと感じれれば、儲けもの。続編やってほしいけれど、やるならガッツリ改善してほしい。

平田 一