「【第二次世界大戦中に全体主義に覆われたドイツ。終戦後もアウシュビッツ収容所で働いていた戦犯は普通の顔をして生きていたが、或る検事が収容所の戦犯を執念で探す骨太な作品。】」顔のないヒトラーたち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【第二次世界大戦中に全体主義に覆われたドイツ。終戦後もアウシュビッツ収容所で働いていた戦犯は普通の顔をして生きていたが、或る検事が収容所の戦犯を執念で探す骨太な作品。】
ー ドイツが自国を裁いたアウシュヴィッツ裁判までの真実を描いた作品。-
■ドイツ人自らナチスの犯罪を裁き、自国の歴史認識を変えた1963年の「アウシュビッツ裁判」までの道程を描く骨太ドラマ。
■1958年。経済復興の波に乗る西ドイツでは、大戦時に自国が犯した罪が忘れ去られつつあった。
そんな中、元ナチス親衛隊員が教師をしていることを知った駆け出し検事ヨハンは、さまざまな圧力を受けながらも、生存者の証言などから収容所の実態を執念で調べ上げていく。
◆感想
・冒頭の、ドイツの若者達がアウシュビッツの存在すら知らなかった事に、戦慄を覚える。
ー その後もアウシュビッツの存在自体を否定する者(この辺りは「肯定と否定」で描かれている。)や、今やネオナチが勢力を伸ばしているドイツ。-
・そんな中、若いヨハン・ラドマン検事は、アウシュビッツの戦犯を調べ上げていくのである。
ー だが、彼の両親や恋人の父もナチス党員だったことが分かる。-
<一度は、挫折しかけるヨハン・ラドマン検事だが、検事総長の後押しもあり、「アウシュビッツ裁判」に臨むのである。
ラスト、テロップにもあった通り、「アウシュビッツ裁判」によりドイツ人の過去に犯した歴史意識が明らかになった事は有名であるが、それを描いたこの作品の価値は高いのである。>
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