「業が煮えるほどのひどい作」湯を沸かすほどの熱い愛 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
業が煮えるほどのひどい作
最低最悪の映画。
観たのはもうだいぶん前のことだけど、芸術に携わる者、映画を愛する者としてこれだけは言っておかなくてはならないと思いレビューを投稿します。
これは、僕が今まで観てきた千本ほどの映画の中で最低最悪の一本です。
観ていて、これだけ腹の立った映画もない。
いま思い出しても、怒りがわいてきて、気分が悪くなる。
一見、人生の奮闘やら、深い愛やらを描いているかのようだが、ちゃんちゃらおかしい。
ウソ臭いんだよ、すべてが。
主人公とその家族には、まったく共感できず、ずっと違和感、不快感……そして、ラストはただただ不気味である。
音楽のつけ方もわざとらしい。「ここ感動するとこですよ!」「ここで泣いてくださいよ!」みたいな。
とにかく、不潔な感じすらするひどい映画だった。
「この監督はちゃんと生きてきたのだろうか?」とさえ思った。
本来ならこんな愚作は黙殺するところだが、問題は、この映画を称賛する人が多いことだ。映画賞まで与えている。
これは由々しき事態だ。
「泣ける」などと感想を寄せている人が大勢いるが、「わが国の文化レベルもここまで墜ちたか」と、僕はべつの意味で泣けてきますわ。
ヤバイよ、日本。ほんとうに。
チャップリンとかヒッチコックとか小津とか黒澤とか『ローマの休日』とか『ディア・ハンター』とか『たそがれ清兵衛』とか『わが母の記』とか『ラ・ラ・ランド』とか、古今東西の名画をたくさん鑑賞してきた人なら、決してこんな気持ちの悪い映画には感動しないはずなんだけどなぁ……。
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