「強く優しいお母ちゃん」湯を沸かすほどの熱い愛 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
強く優しいお母ちゃん
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"長いお別れ" 公開記念放送で鑑賞。
原作は未読。
冒頭の「湯気のように亭主が失踪したので…」と云う書き出しから始まった貼り紙のユーモアに惹きつけられ、これは面白いストーリーになりそうだと確信しました。
突然の余命宣告を受けた双葉でしたが、持ち前の明るさと強さ、そして優しさで関わった人々の心を解きほぐしました。
自身も複雑な事情を抱えているのに、大きな包容力で全てを包み込んでくれていました。なんて立派な人なんだろうか?
出会った人々の心に刻まれた双葉との繋がりが、また新たな繋がりを生んで、その繋がりが双葉の死後も幸せに続いていきそうなラストに思わず涙がこぼれました。
そんな肝っ玉母ちゃんを体現した宮沢りえの演技に感服。杉咲花も自然体で感情の変化を表現していて、これまた感服。その他のキャストも文句無しに適材適所でした。演技達者を揃えたからこそのクォリティーだなと思いました。
最後の最後、双葉の亡骸で湯を沸かしたのでしょう。温かい湯を通して、心と体に彼女の存在が染み込んだ様子の家族。タイトル通りの結末に膝を打ちました。「湯を沸かすほどの熱い愛」―全ては無限の愛の成せる業でした。
※修正(2024/05/05)
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