「力技で纏めた愛し愛された女のお話。」湯を沸かすほどの熱い愛 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
力技で纏めた愛し愛された女のお話。
難病ものですね。
同じ時期に公開している末期ガンの放送作家が妻の次の夫を探す映画は、予告の時点であかん匂いがプンプンだったので華麗にスルーしましたが、こちらはキャストが良さげ(特にオダギリジョー♡)なのと、チチを撮りには未見ですが良さげだった中野監督に興味が湧いてみることにしました。
血縁でない娘を愛する母に圧倒されました。
血縁でない母には、もしかしたらなれるかもなので、自分への希望としてもよかったです。
あとは杉咲花がよかったです。弱くっていじめを拒否できない高校生なんだけど、びっくりするような反撃をして、その姿が破壊力抜群で涙腺崩壊でした。
彼女の泣き方もいいですね。本当に悲しそうに苦しそうに泣くので、こっちの体内にも悲しみや苦しさが流れ込んできます。よってボロ泣きでした。
母がくれたお揃いの水色の下着が、こんなところで役に立つなんて!よく頑張ったよ。偉いね。
つか、高校生に指が透けるくらい薄いスポーツブラさせてるのはだいぶダメですけどね。それはもっとはやく対処しないとお母ちゃん。
ヒッチハイカーとの交流はちょっと都合良すぎっつか現実味がないですね。あんなのに出会ったらぜったい車にのせたらいかんもの。どうすんの殺されたら!娘を守れへんでしょう。危機管理がなってないですよ。まあ結果的にいい人でいい働き手でよかったですが。
双葉も母に捨てられたんですね。そして自分が愛したようには母は愛してくれなかった。裕福な暮らしをしている母の家に犬の置物を投げる気持ちはわかります。再会も叶わず、彼女は死ななくてはならない。悲しいです。
探偵との交流も、ちと嘘くさく、だらしないオダギリジョーさまは、可愛いんだけど、人間ピラミッドしかできないってねえ。
男子勝手な人ばかりで嫌ですよ。
鮎子ちゃんもとってもよかったです。
下着やタカアシガニやなぜか知ってる手話など、フリが悉く活きた満足感と、ドヤ顔がちょっと浮かぶ感がありました。
ラストは、犯罪ですよね。法を無視した火葬で捕まらなきゃいいけど。そこで結構冷めましたね。
ホスピスでの動けなくなってからのお母ちゃんは、死ぬ前の数日、あるいは数時間の祖父母と同じ感じで、リアリティを感じました。
作り手の腕力が目立たなくなるともっといいのかななんて思いました。
まあ偉そうですこと、どうぞお気になさらず…