「天晴れ、宮沢りえ!」湯を沸かすほどの熱い愛 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
天晴れ、宮沢りえ!
宮沢りえと杉崎花の役者魂がまっこうからぶつかり合う。
それは、衝突ではなくて、抜群の相乗効果。宮沢の気合が杉崎の熱気を呼び、それに応えるように宮沢の迫真の演技が昇華されていくようだった。
オダジョーのダメ親父っぷりも、むしろ心地よい。
宮沢演じる双葉の人柄が、他の人々の心を揺さぶっていくのがよくわかる。もしこんな人が身近にいたら、僕だって引き込まれるもの。
全編にわたり、双葉の想いが溢れすぎている。
安澄と君江が会うシーンなんて、「あとで役に立つから」って言葉のせいで、そこにいない双葉の姿が、涙があふれた僕の瞼に浮かんできてしょうがなかった。
何より、ベットでの演技は秀逸。目を疑うほどに驚き、唖然としてしまった。宮沢自身が母を癌で亡くしており、その経験が生きているのであろう。
ラストに、タイトルの意味がわかる。久しぶりに震えるようなオチだった。
その、とても常識外れの行為に、涙、涙。
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