この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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見る価値がある作品でした
1年以上前から心待ちにしていた作品でした。
まさか地元の映画館で公開するとは思いもしませんでした。嬉しいの一言です。
戦時中の話しと聞いていたので、火垂るの墓みたいに、最後は救われない話になるのでは?と思っていましたが、すずのキャラクター性で、暗くならずにすみました。
そのすずの声ですが、のんさんが演じると聞いていたので、期待外れと思っていましたが、以外にマッチしていて安心しました。
今年の夏の劇場アニメは、プラネタリアン、君の名は、聲の形と、良作が続いていますが、個人的には本作品が今年のベスト作品だと思います。上映館が少ないのが残念です。
泣くつもりが
きっと映画を見ながら泣くのかなと、上映前は思っていました。感傷的で叙情的な物語だと決めつけていたのかもしれません。
事前の予想は間違ってはいなかったけれど、上映中は泣くことはできませんでした。
劇中の時間の経過とともに、胸が痛く、切なくなり、辛くて怖くて震えるようにして映像に釘付けになっていたからです。
この世界の片隅に、というタイトル通り、今この現代の世界中のどこかで同じ物語が日々繰り返されているはずです。
私たちの日常の平坦な暮らしが、いかに幸せで貴重なのかを思い知らされます。
人間は失って初めて、無くしてしまったもののかけがえのなさを知る、小さな存在だと思い知りました。
今この文章を書いている私にでさえ、たぶん、幸せを身に沁みては分からない。
上映中は泣けませんでしたが、エンドロールが終わり、場内が明るくなり、立ち上がろとしたとき、不意に涙がこぼれ落ちてきました。
この映画に出会うことができ本当に幸せです。
ただ、上映館が少なすぎる。これだけが残念です。
リアルとほのぼの
アニメ映画なのだが、そのタッチはなにかに似ていると感じた。
そう、2013年のベスト映画のひとつだった「かぐや姫の物語」に近いのだ。輪郭がはっきりしない曖昧な水彩画のような絵。
かといって、背景の建物や家具やふとんなどはとてもリアルだ。
監督はその当時のモノには非常にこだわったと言っている。
でも、主人公のすずさんたちはぼよ〜んとした感じなのだ。
時代背景は戦前〜戦中〜戦後の数年間を描いていてとても切実。
でも、そこで暮らすひとたちはそんな状況に右往左往するのだが、
どこかほのぼのとしているのだ。
悪いひとはだれひとりいない。
主人公のすずさんをはじめ、家族、すずさんの夫や嫁ぎ先の両親、
いやみと思われた義理のおねえさんだって、そん状況のなかで
精一杯プラス思考で、やさしい関係をつくりだそうと努力している。
それを象徴していたシーンが食事にシーンだ。
お米や野菜などの配給がきわめて少なくなっている中、山の野草をとって、それをおかずにして食べる。そのつくりかたが実に楽しいのだ。
それをおいしいとは言わないまでも、その工夫に最大限敬意を評して
笑顔いっぱいにいただく家族たち。そんなしあわせなシーンがたくさんある。
そんな慎ましくも小さなしあわせがあった日常に、ピカッという光が降り注ぐ。広島から遠く離れた呉という漁港にも原爆のひかりが届いたのだ。それからしばらくしたあとの地震。あらゆるものが地鳴りをあげてひとびとを襲う。そして敗戦の玉音放送。そのとき、はじめてすずさんが怒りの嗚咽をあげる。
この日常と非日常。
その対比がこの映画に大きな説得力を与えていると感じた。
評価A
この映画は事件だなと直感しました。
凄まじい映画でした。
義理の姉の容赦ないことばの切れ味に、わたしは身をすくめてしまいます。
夫が玄関の錠をカチッと閉じてしまう、その音にビクッとしてしまいます。
つましい日常を丹念に描いていたのに、その瞬間、あれっあれっと胸がドキドキして
頬が紅潮して、日常の向こう側に連れていかれそうになってしまいます。
そこがすばらしい。そして、ある意味とても怖いのです。
日常と、その日常が崩壊した向こう側をシームレスに行き来する描写の
すばらしさ、怖さ、凄まじさがたくさん入った映画です。
ヒロインがほんわかした人なのでほわほわした印象が強く残りますが
ほわほわしてばかりの映画ではないのです。
ほわほわと、ほわほわの向こう側を描いた映画と言えます。
映画館を出るとき、すべての観客がメッタ打ちにされる映画です。
優れた芸術は、すべて有毒なのです。
その毒の威力のほどを、どうぞ実際にご覧になって確かめてください。
日本人なら見て欲しい映画
戦争映画の歴史を変えた!
号泣!今年ベスト!まずは絵がきれい。
広島が呉が、瀬戸内海がなんとも美しい。
そこに住む人々の実在感たるや。
一般の戦争映画にある悲壮感はさほどなく、いかに戦時中であろうとも、人々にはそれぞれの生活があり人生があったというのが描かれ、容赦なく感情移入させられる。
そこに加え、特筆すべきは「のん」の声。
本作は天才女優の輝かしい復活だ。
広島弁も見事にものにし、従来のポーッとした感じから、中盤のエロシズムから、後半の堕ちていってからの感情の爆発まで見事に演じ切っている。
勿論アニメも素晴らしいがここまで一体化するとは。脱帽。
戦争映画は数あれどここまで当時の人々の等身大の様子が描かれたのは偉業。
テンポもよく湿っぽくなくけれど感情はガンガン揺さぶられる。目をつぶりたくなるシーンもしっかりある。
何もかもが絶妙なバランス。
万人に、世界に勧めたい傑作。
君の名は。のようにヒットして欲しい。
評判通りの良い作品
愛おしいからこそ突き刺さる物語
ほのぼのと悲哀と絶叫と。71年前のリアルを感じた。
そして、きっとすずさんに恋をする
戦争を背景にした市民映画
非常に良かったです
こうのさんのファンで、公開日を心待ちにしてました。
ですが、「期待が大きすぎてがっかりするかな、、」「あの作風/雰囲気を動画にするのは難しいだろうな、、」とも思い、いっそのこと見に行くかも迷いつつ、やっぱり観たいなと思って映画館に行きました。(めんどくさい性格ですいません(笑))
結果は、本当に良かったです。
世界観がそのまま表現されていて、世界観を本当に大事にされて作られたんだな、という感じが伝わりました。
戦時中の街がどんな感じだったのか、凄く臨場感がありましたし、戦時中生き抜かれた方々がどんな思いだったのか、凄く伝わりました。思わず作品に引き込まれて圧倒されて涙ぐんでしまいました。
まだ戦後70年しか経っていないのに、今の日本から忘れられようとしているもの(きっと本当はその方が良いのでしょうけれども、大事なことまで忘れてはいけない気がします。)、あるいは、日本人として忘れてはいけない何かを感じ取れる良い作品だと思います。
(まあ、↑は仰々しくとらえすぎな気もします(笑)そんなに重々しく思う必要はなく、純粋に作風雰囲気を楽しめる作品でもあると思います。)
この作品に出会えて良かったです。
そして、日本人で良かったなと心から思いました。
映画館まで観に行って良かったなと思います。迷われてる方はぜひ観に行って頂きたいなと思います。
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