この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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全ての人に観てほしい、伝えていきたい作品
2016年、アニメ映画のNo.1!
...と言っても過言ではないでしょう!
戦争のある日常、そこに生きている人たちを優しいタッチで描いた
この作品はのんちゃん(旧・能年ちゃん)の演技やコトリンゴの音楽も
素晴らしかったです!久しぶりに何度も観たくなった映画でした。
いつもボ~っとしていたすずさんが、玉音放送を聴いた時に感情を
爆発させたシーンはとても印象に残っています。
大事な人たちを亡くし、自身も重傷を負いながらも明るく強く
生きるすずさん。これは現代で生活する私たちへのメッセージ
なのかも、とか勝手に思ってしまった。
「どんなに苦しくても、希望を捨てないで生きていく」
レビューに書きたいことがうまくまとめられないけれど、
泣いて笑って、最後は元気を貰えた映画でした。
えらいもんみちまった
高評価の中、「これで期待外れだったら…」と不安になりつつも劇場へ。
開始早々「これどんなアニメなんだ…??」と頭の中が?だらけに。
しかし…もうここからは、とりあえず見ろ!と言う言葉しか出てこない。
凄い映画でした。
今年のベスト…いや、ここ何年かのアニメ映画でベストで良いのではないでしょうか。
この映画を後世にも残してほしい。
だから、今ヒットしてほしいです。
こんなこと言ったら嫌がられるだろうけど、見て損はしないじゃない。「見ないと損するよ!」
うまく言えませんが
凄い・・
もっかい観よう・・
日常に戦争が入って来て・・
野火と違う方向からの戦争体験というか、より感情移入出来るから、よりじわじわとショックを受ける・・
思い出しては泣けてきてしまう。
のん(能年玲奈)さんの声とっても良かった。コトリンゴさんの音楽も!
ほんわかした絵なのに、凄く生々しかった。
12/8追記
すずさんはりんさんの代わりに北条家に来て、恋に落ちて一緒になるのではなくて、一緒になってから愛を育てていく、というのは、現代ではあんまりないのかもしれないけど、でも実はそんなものなんじゃないかと思う、時間をかけて育てていく、という考えかたはいいなぁと思う。好きになる要素がある人ならば誰とでも育てていける可能性があって、この人でないといけないってことはなくて、誰も誰の代わりにはなれないけど違う形で必要なものにはなれて、結局は代わりにだってなれるんじゃないか。
後世に残していくべき映画
沢山の人に見て欲しい
悲しいけど、やりきって生きて行くんだ。
エンドクレジットで
「かなしくてやりきれない」を流されたら席を立てないくらい号泣してしまっただろう。
だけど、この作品が伝えたいことは“抗えない苦しみに耐える悲しさ”ではないんだ。
その先の希望に満ちた(というと陳腐だけど)活力と優しさなんだ。
とか思い返してみると、一層ジワジワくるんだよね。
能年玲奈ちゃんも「あまちゃん」以来やっとイイ役に巡り会えた。
僕もはじめ能年玲奈がこの声を当てると聞いた時、「えっ?!」って思ったけど、今となっては能年玲奈以外考えられないし、すず役として完璧だったとおもう。
コレで、こうのふみ代ブームが来て「さんさん録」とか「ながい道」とかが連続ドラマになったりするとイイのにな。
現在生きてる我々は
終わった後に幸せを噛み締める
本当に今年は広島の年
すずさんの生きた世界に自分は生きている
ストーリーやプロットではなく描写のみで感動を紡ぎだすソレは「泣ける」というよりも「ジワリと染み込んでゆく」感覚。
考えると圧倒的な描写の細やかさは単に考証の正確さを表しているのでは無いと思う。
それは、時代は違えども、自分達がつらい目、理不尽な目にあったとき感情の置き所をどう「やり過ごし」したり、現実をどうやって近い形に「やりくり」したりてゆくのと同じだ。
つまり「すずさんの生きた世界に自分もまた生きている」感覚の感動なのだろう。
元気が出た
水彩の柔らかいタッチでかわいい絵なのに、こんなにつらくて悲しくなるのは徹底的に作り込まれた世界があるからだ
終戦が昭和でいうと何年のことなのかすら知らない無知な自分は、すずちゃんと一緒に戦争を体験したような気分だった
でも悲しみだけじゃなく笑わせてくれるシーンがたくさんあった、むしろそっちの方が多いくらい
だからこそ、というのがあるんだけど
観る前に、やっぱりなんとなく『火垂るの墓』を連想してしまったんだけど全然違った
観終わったあと、本当に元気が出る、自分もがんばらなきゃって思える
それから能年ちゃん、すごい
すずちゃんのふんわりとした感じと芯のある強い感じを完璧に演じてる
彼女の境遇を考えると、ますます、一緒に頑張ろうって思える
間違いなく心に残る映画
ただテンポが早いので理解しようとのんびりしてると置いてかれちゃうかも
そういう意味で少し大人向けなのかな
戦後71年の今だから
暗い影も明るい光も音も立てずにそれは忍び寄る・・・ 何気ない日常に、阿鼻叫喚の地獄絵図の最中でも。
漫画が原作ということで、アニメのタッチや風景、キャラの画風がホンワカしていることと真逆にストーリーの過酷さのギャップの激しさにこの作品の深いメッセージが強くスクリーンに映し出される。
今年は邦画アニメの当たり年。ご多分に漏れず、話題作は観てきた。観た後はどれも今年最高のレベルを評価してきたが、この作品は自分の今までの考えを打ち砕くほどの最高の内容だ。『火垂るの墓』は実はしっかりとは観たことがない。だが、今後、毎年、お盆の時期は、この作品は絶対にテレビで放映すべき作品である。音もなく重層的に畳み掛ける不遇。その総てを回収して余りあるラストへの序章。その総てが回収されるカタルシス。不幸も幸福も総ては音も立てずに忍び寄るのだ。
この映画のクラウドファウンディングは、去年にイヤと言うほど、テアトル新宿の予告時間で観た。その時の自分の考えに今、ケリをいれたい。何故にこんな傑作に寄付しなかったのか・・・参加すべき映画をみすみす逃す浅はかさに、今、完膚無きまでに打ちのめされている。
震災も勿論大事。だが、日本はその前、71年前にはもっとボロボロな出来事があったのだ。
今一度問う。自分は『この世界の片隅で』生きてて良いのか?・・・
~追記~
一日経ってもまだ、ラストシーンが頭にこびりついて離れない。
自分の目の前で吹っ飛ばされた大事な右手と、かけがえの無い姪。総てが自分のせいだと被虐に泣くすずが広島で縋ってきた小さな女の子。彼女も又、かけがえのない母親を原爆によって失い、路頭に迷った末の出会いであった。母親の右腕は無数のガラスが刺さったままであり、すずは爆風で右手が無い。その無くした者通しが惹かれあい、運命のままに受容れる。かすかだが、目映い光に満ちた希望なのだろう。。。この出会いの為にもしかしたら死なないで良かったのかもしれないのだ。
“かつて確かに存在した日々”を描く戦争作品の傑作
期待を裏切らなかった傑作。原作ともども、私の中で最も優れた日本の戦争作品として永く心に残ることだろう。
自分にとって戦時中とは、残酷で過酷で狂気に満ちた、非日常的で、どこか非現実的なものだった。というのも、戦争を識る機会の半分は映画や小説や漫画といった創作物で、そうした戦争を扱った作品は大抵が悲劇性が強調されてたり、民主主義的ヒューマニズムの礼賛や分かり易いパトリオティズムを煽るものだったからだ。
もちろん戦争は悲劇以外の何物でもないし、商業ラインに乗せて発信するコンテンツである以上、わかりやすいドラマ性を付与させなければならないので、そういった作品ばかりになるのは当然ともいえる。
しかし、以前から疑問に思っていた。戦争中を生きた人たちは朝起きて、朝食を食べ、職場へ出かけて仕事をし、帰宅して夕食を食べて風呂に入って寝る時までに、何を考えて、家族とどんなことを喋っていたのだろうか。玉音放送の映像を見る度に気になっていた。あの時、国民全員がラジオの前で土下座してたのだろうか?よくみると背景にはせわしなく行き交う雑踏が見える。終戦の日、国民は何をしていたのか、何を思っていたのか。
そんな疑問に応えたのが、本作だった。他の戦争作品と違い、かつて確かに在った時代として戦時中がリアルな説得力をもって描かれている。ある特定の悲劇を切り取るのではなく、あの時代の空間を、空気を、人々の営みを情緒的に、淡々と描写している。その日常はどこか懐かしい、昭和の日本の温かで幸せそうな、平和で平凡な日々だ。ただ時折、不気味に戦争の影がちらつくことを除いては…。
物語が進むにつれて、戦局が悪化し、空襲が増え、穏やかな日々に戦争が侵食をしはじめる。しかしそれでも“日常生活”は続いていく。戦時中でも変わらずに暮らしの中に存在する、なんてことない喜びや小さな幸せも、そして戦時中だからこそ起こる哀しい別れも残酷な出来事も、それら全てが日常の延長線上の上に描かれているのだ。
そしてそれは、いま自分が生きる現代の世界と確かに地続きのものだった。この作品を通して、はじめて戦争がかつて日本で在ったということを実感できた心地だ。
同時に、他のどんな反戦を謳った映画よりも、平和が如何に尊いものかを伝えている作品だと感じた。
最初アニメ化の企画を聞いたときには、実は期待より不安が大きかった。映像化が難しい原作だと思ったからだ。戦時中の豆知識ネタなど様々な濃淡のエピソードが、不規則に時間を飛ばしながら展開していく内容は、自分のペースで読み進められるマンガと違い、そのまま映像に落とし込んではちぐはぐで冗長なものになるだろう。だからといって作中の悲劇的なイベントに焦点を当ててしまっては、その他多数の戦争作品と大差なくなってしまう。
しかし流石は片渕須直。不安は全くの杞憂だった。要素を大胆にカットして尺を縮めつつ、作品の核である戦時中の日常感を味わえるエピソードはすべて詰め込み、かつ終始退屈しない絶妙なテンポに再構成されている。序盤には強引な暗転が多く辟易したが、すずの嫁入り以降に違和感をおぼえるシーンは少なかった。
美術も素晴らしい。薄く灰をかぶったような優しい色合いの世界は、日本人が失った昔日の憧憬の世界を美しく描き出している。『君の名は。』のパキっとした精緻で写実的な背景とは全く違うが、これこそが日本人にしか描けないアニメーションの世界の極地だと思う。
背景や小物の風合いやディティールのこだわりは勿論、兵器や武器の描写も徹底したリアリティを感じる。焼夷弾や時限爆弾をこんなにもリアルに描いた映像作品を他に見たことがない。
公開前はいろいろ言われていた声優についてもまったく違和感がなかった。どこか間の抜けた可愛さと、時として精神的な不安定さを覗かせるすずの演技を見ると、確かに能年玲奈がベストな配役だったと思われる。
戦争を知る世代がどんどん減っている中で、戦時中の何気ない生活を描いた本作の価値は非常に高い。どうか、多くの人に観て欲しい。心の底からそう思える、稀有な作品だった。
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