この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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アニメ作品の極致
これまでに観たどのアニメ映画も到底足もとにも及ばぬ頭抜けた名作。
数倍の料金を払っても観る価値あり。
そして何が秀逸なのかを一言では説明できないのが、本映画の傑作たる所以。 笑い、悲しみ、憎しみ、そして優しさ、救いが見事に紡がれており、とにかくまあ観て下さいとしか言いようがなく。
そして何よりも、のん(能年玲奈)が完全復活し、その個性がアニメに見事に化体。
あの小津安二郎の東京物語にも似て、淡々としていて派手な抑揚もなく、説明的にもならず気をてらうこともなく、しかし特徴的なテンポある展開と上質なユーモアによってどんどん引き込まれ、そして最後に何かがものすごく突き上げてくる不思議な感覚。
何も知らぬ無辜の市民がのみ込まれて行く非日常の中にごく普通の日常を描くことで非日常性がより浮き彫りになり、非イデオロギーの作風によって逆に我知らずイデオロギーが滲み出て来る。
実写含め、ここ数年で観た映画の中でも最高位か。
すずさん、ご存命なら91歳
素晴らしい。心底素晴らしい。
片渕須直監督作品は、今回初めての鑑賞。
率直に言って。
これほどの映画には、そうそう出会えるものではなく。
これほどまでに、魂を揺さぶられるような体験は、
なかなかできるものではない。
自分の記憶に残る一本となったのは確かだ。
映画から受ける、優しくほのぼのとした印象とは裏腹に、
終盤の展開から、主人公のとあるセリフに、
優しく強烈な何かを凶暴に突きつけらた。
心底、悲しくてやりきれなくなる。
それは、短慮なお涙頂戴や、反戦と言った要素は一切なく、主人公と なった18歳の女性の目線で、淡々と当時の生活を描かれていて、そ の生活がが何より愛おしく感じる部分が、あるからこそなのだが。
主人公の声を演じたのんさんが、自分の中にある主人公のイメージと 合っていて良い味となっていた。
他方で、映画を作る際に、綿密な取材を行っていたとか。こういう志 の高い映画は観ていて本当に気持ちが良い。
鑑賞してから一週間経ったが、まだ興奮が冷めない。
そして原作となった漫画も一気に読んでしまった。
また観に行きたい。いや観に行こうと。
感想にならない。
ハマってた。
SNSでチラッと知り合いの人がシェアしてたのですが近くの映画館ではやっていませんでした。ですがその映画館で急遽上映決定となっていたので内容は全く知らずに鑑賞してきました。
とても良かったです。これに「少しも心が動かない」という日本人はいるのだろうか?
5分遅れてしまって入場、スクリーンを背に階段を登っている時に主人公の声役ののんさんの声が聞こえた時に正直「ああ、ちょっと無理かも」と思ってしまいました。やっぱり元々声優の方じゃないからちょっと厳しいかなーと。ですがその後きちんと観ていくと主人公の雰囲気とのんさんの声がとても合っていて、ばっちりのハマり役でした。だからなのかだんだん慣れてきて、なんだかとても心地よく変わりました。自分でもビックリ。
物語的には目新しいストーリーがあるわけでもなく、普遍的な感じではありましたが見終わった後に観て良かったと思える作品でした。
クラウドファンディングを経て制作されたようなので、これからその経緯なんかを調べてみようと思っています。
言葉にできず、声をかけたい。
観て良かった
ずっと心に残る
見終わって様々な感情がずっと心に残っています。あまちゃんでファンになった能年さんに再び活躍の場が与えられたことを嬉しく思いました。戦時中の何気ない日常とリアリティ溢れる空襲シーンの対比。貧しいながらも助け合って懸命に生きていく人たち。戦争のない豊かな時代に生まれたことへの感謝。実写よりもCGよりも心に訴える温かみのある背景画。あの時代にタイムスリップしたような感覚。すずたちの暮らしをずっと見続けたい気持ち。苦しい時代にあっても笑いやユーモアの気持ちを忘れない逞しさと大らかさ。途中号泣しそうになりましたが堪えて、最後はとても暖かい気持ちになれました。アニメか実写かに関わらず、ずっと心に残る映画となりました。2時間はあっという間でした。是非映画館で見て欲しい映画です。
戦争と暮らしを身近に
初めてのレビューです。黙っていられない!
地方都市に住む自営業67歳・自称かなりの映画ファン
観た当日/
観終わったときは興奮状態。拍手をしそうになった。恥ずかしいので躊躇。映画.comでみなさんのレビューを読む。涙が止まらず。
次の朝/
早めに目が覚め、”この世界の片隅に”いろいろなシーンが思い出され枕が涙で・・・
その夜/
"この世界・・"をみんなに薦めている夢を見る。
その後/
パンフを買いに行ったが売り切れ。今日入るかも・・・ってことで再館したが空振り。
見終わった直後よりその後の方が感情が高まりどうにも我慢出来ない。
映画についてはみなさん絶賛されているので省きます。
メジャーな配給会社も、大手スポンサーも扱っていないため極端に上映館が少ない。
当地は、地方都市ですがシネコンが2館。マニアックな作品は近隣の県まで行くこともしばしば・・。たまたま近くで観られたのは奇跡!感謝です。観たくても無理な方多いのでは!
こんな状況で良いんですか?映画関係者!
いい映画に出会えました
毎週一本は映画を観に行っています。その中でも久しぶりにいい映画に出会えたなという感じがしました。
戦争っていうすごく重いテーマなのに、主人公の子供のような性格と優しいタッチの画でほのぼのとした気持ちにさせられました。
初めは可愛らしくてヘマばかりしていた主人公が成長して大人になっていくのがなんとも切なくて。
でもほのぼのとした場面だけではなくて、空襲時の防空壕の中のシーンでは戦争というものをとてもリアルに感じました。
僕は中学生です。戦争とは全くの無縁な生活をしています。でも生まれたのが数十年早かっただけの僕と同じくらいの歳の女の子が戦争の中にいます。
今では当たり前のことが当時はそうじゃなくて、逆もまた然り。戦争ってこういうことなのかととても深く感じられました。
また、劇場内には高齢の方も多くいて、その方達のすすり泣く声が聞こえてくる度に「ああ、この人達もこんな経験したんだろうな」と思って余計感動が押し寄せてきました。
素敵な時間をありがとうございました。
すずの声と絵がはまりすぎ
淡く 儚く たくましく。
戦争がすぐそばにあった土地と、時代に生きたすず。「黒い雨」「はだしのゲン」「火垂るの墓」・・・、戦争や原爆、市井の子供や若者を扱ったものは数あれど、この漫画のもつエネルギーは、それらにも負けない力強さがある。そのくせ、水彩画をベースにした物語のトーンは淡く、思い通りにいかないはがゆさは儚く、主人公然としたキャラではないくせにたくましい。当時の日本人の価値観や生活様式の描写も丁寧だった。「不発弾の時」のパチパチや、「右手の状態」を知ったすずの脳裏で反響した声や、病伏の妹の腕のアザだけで見せる原爆の末恐ろしさなど、表現が上手い。(ただ最後まで、のんの声には馴染めなかったが)
この映画に魅せられた人には、是非とも、続編ともいえる『夕凪の街 桜の国』を一読されることをおススメしたい。登場人物は全く別だが、戦後の広島に生きた一般の人々の静かな憂いに、胸を焦がされることでしょう。
戦争
ラストのラストで
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