この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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生活力の強さが印象的だった
最初主人公のマイペース過ぎるところが、声のトーンもあってどうなんだろうと思った。
しかし話が進んでくるとこの人しかないな!と芯を感じます。
そんな中配給品が少なくなっても野草を活用して少しでも豊かな食事を作り上げた姿に、カット野菜で日々済ませる自分としてはぐっと来ました。
それでも襲いかかる困難に、8月6日が近づく中での広島への誘惑というハラハラ感も。
ところでラストの少女について、黒い雨や放射能は大丈夫だったんだろうか?
スタッフロールを見るにすくすく育ったみたいですが。
今。この時代だからこそ。
戦争映画はほとんど観ません。 観ていて辛くなるから。 いつも思うのは戦争は二度と起こしてはならない。ということ。 ただそれだけ。 どんなに悲惨な状況でも這い上がって生きていく人間の姿に 感動するのはもうたくさん。戦争が美化され過ぎ。 なので鑑賞してから一週間経ってようやく思いがまとまりました。 こんなにも戦争について考えた一週間はなかったです。 戦争がなくても生きていれば色々なことが起こるのに 追い打ちをかけるように不条理に爆弾が空から降ってくる。 人が死ぬ。それが戦争。それが日常。 この日本が戦争をしていた時代を知らない世代として 戦争の起こらない世界にするために自分は何ができるのか? そう考えた結果答えが出たような気がしました。 このアニメは様々な分野で教材として是非活用して欲しいと伝えたい。 学校から介護施設など子供からご年配の方たちに是非観て欲しい。 日本に留学している、これからしようとしている外国人の方も。 これから生まれてくる子供達にも観て知っておいて欲しい。 当時の日常生活を語れる人が減っていく現実に 世代や人種を超えたコミュニケーションツールとしての これ以上のアニメ映画は他にないと思います。 今のこの時代に生きている私たちは また戦争が突然始まるのではないかと漠然と薄っすらな危機感を 感じて毎日を過ごしているのではないでしょうか。 だからこそこれからの時代へ語り継いでいくために 今この時代にこのアニメを多くの人に勧めたいと思いました。
素晴らしい、こうの史代さんの世界。
良い作品です。 空襲のシーン、今まで見たどの映像作品よりもリアルに感じました。 ドラマティックな演出は一切なく、ああ、当事空を見上げたらこんなふうに見えたのかな、と感じたのが逆に物凄くリアルで。 すずがその時「場違いなこと」と感じた感想も、当事空を見ていたら本当にそんなふうに見えたのかもしれないな、と思いました。 ぜひ海外で封切って欲しい作品です。 海外の人はどんな感想を抱くでしょうか。 これでも、「殊更に自分たちを可哀想に描きやがって!」と言われてしまうでしょうか……?
みた後、心の整理に時間が必要
この作品には、表面的な美しさや、派手な演出、感傷に浸る洒落た言葉もない。 あるのは、すずの生きた日々の生活である。 悲しみや喜び、人を愛することが飾らずに描かれている。 すず自身、素朴な愛らしさのある人物である。 世界の片隅の出来事かもしれないが、確かな幸せがそこにあるように思う。 ただ戦争は生きることを否定し、日常の生活を奪うもの。 すずは生きる力をいっぱいにした生活の中で幸せを感じるであろう。 しかし、もって行き場のない感情がすずの中にあり続けることは否定できない。 この作品をみた後、私にもこの感情があった。 優しい印象で描かれたこの作品には重く冷たいものが中心にあるのかもしれない。
幸せに生きること
ほぼ予備知識無しでみました。 最初は話についていくのがやっとでしたが、気付けばこの世界に引き込まれていました。見終わる頃には「まだ続きを見ていたい」と思ってしまうくらい!すずちゃん幸せな人生歩めたかなぁ…? めくるめく日常の連続ながら、日々を一生懸命に生きる人間の、生きる力が溢れ出ていました。 現世は平和だけど、人間の幸せって何だろうなぁと考えさせられます。
希望
すずさんが、これから先、周作さんと家族と共に、強く、幸せに、日常を生きていける気配を感じた時、胸がいっぱいになり涙がとまらなくなった。
能年玲奈ちゃんの声、広島弁、美しい呉の風景描写、水彩画、コトリンゴの音楽、すべて、素晴らしかったです。
人間の優しさと強さ
良かったところ •すずさんの声を演じるのん。ぼーっとしていながらどこか芯の強さを感じる。キャラにピッタリの配役。 •ストーリー展開。鑑賞後、明るく前向きな気持ちになる。 •アニメーションのクオリティ。スピード感はないが逆にそこが作品の味にマッチしている。 •コトリンゴの楽曲。 これから鑑賞する方へ。 エンドロールが終わって館内の照明が点くまで席を立たないことをオススメします。
絵を描くすずさんはカッコいい
「ぅわあ、すずさんが動いてる!笑ってる!」 原作のイメージそのままのすずさんがいました、すずさんの世界がありました。 そして凄みが増していました。 一線級の軍艦が、生活している風景の中にあった街、呉。 女の子達もいつの間にか詳しくなる、大好きな人が教えてくれたから、大好きな人に話してあげたくて。 もう。切なくて、可愛くて。 ほのぼのしてて、誰よりしなやかなすずさんの魅力はそのままに、この作品ではすずさんのカッコよさも印象的。まっすぐな視線で絵を描くすずさんはカッコいいです。 小さくなっていく彼女の画帳に重苦しい世界が映ります。 のんさんの声はぴったりだと思いました。 一緒に観た家人との帰り道は言葉少なでしたが、「少なくとも日本人は観んといかん」とかボソボソ言ってました、その通りだと思いました。
戦争映画と思ってみると、面食らう。観終わった後、戦火よりもすずさん...
戦争映画と思ってみると、面食らう。観終わった後、戦火よりもすずさんという1人の女性の生活が頭の中に巡る。これは日常の映画だから。戦時中の日常の映画なのだ。戦争の最中でもご飯は食べるし恋をするし皆んなで笑う。その背景で確実に生活を侵食してくる戦争の姿が恐ろしく、とてもリアルだ。そんな中でも生活し続けるすずさんの姿に涙が出てくる。是非すずさんの日常を覗きに映画館へ足を運んで欲しい。
凄い凄い
戦争映画だと思った。ら、違ってた。 なんだ、今の私たちの話じゃないか。 おそらく片渕監督自身もこういう人なんじゃないかと勘ぐってしまった。 ものすごく内向的で不器用で、なんとなく愛されキャラでえへへと笑うとみんなが許してくれる。 ほんとはそんなの嫌に決まってんじゃんね。 ひどい目に遭ってもえへへと笑えるその仮面の向こうでどんだけ泣いたと思ってんだよ。 亡くなった清志郎の歌の歌詞に大人になれば誰でもふたつ以上の顔を持ってるというのがあった。 これはそういう話だ。 ヒーローになりたい、ヒロインになりたい。でもなれないってみんなのための映画だ。 ものすごくエゴイスティックにそれでも自分がここにいる理由を渇望した結果また、えへへと笑わずにはいられなかった人がどんどん転んでいって、まあいっかって笑い声が通用しなくなるってそれでも笑って済まさなきゃいけないって話だと思った。 とにかくすごい。
強く生きなきゃと思わせる作品
余韻がすごい。 映画を見てる間はぼんやりとしか感じていなかったものが、鑑賞後じわりじわりと押し寄せて、帰宅後の布団の中で気づけば泣いていました。 話の展開が不意打ちすぎるのです。 戦時下人の死は珍しいものではないとは思うのだけど、あまりにも唐突に人がなくなってしまったり、来てほしくないタイミングで唐突に幸せがやってきてしまったり。 「ここは泣き所!」みたいに見せ場をわかりやすく演出として提示された映画ではなかったので、映画の印象を端的に言い表せないのはそのせいかなと思います。 ただそのドラマチックでないリアルな話の展開が、主人公すずさん達が必死にひたむきに生きていく様を、うまく見せていたんだと思う。 今の時代、本作に比べれば平和極まりなくて、物も豊かでなんでもあるけれど、平和だからこそ必要以上に将来を不安視して、必要以上に多い選択肢に迷ってしまったりしたりして、僕自身もそうであるんですが。 昔も今も、どんな境遇であってもどんな環境にいても、¥やっぱり生きることって大変なんだと思う。不意打ちのように運命は変わるし、その運命を自分から変えることは中々に難しい。 そんな中でも、ひたむきにひたむきに前を向いて生きていくすずさん達の姿は生きるエネルギーというか、僕自身が強く生きなきゃと思わせられる力強さみたいなものがありました。 感想もまとまりがないものになってしまったけど、すごくいい映画でした。2回目観に行こうかな。
これは今ではない
「8年12月」とか何だろう。
1908年かと思ったけど
どうやら、
「昭和」8年だとわかったのが後半。
「昭和」19年や20年の空襲とかで知識と一致してわかりました。
海老名のTOHOシネマズ朝九時から見ました。雪でした。
同じ建物で「ファンタスティックビースト」のMX4D上映の振動が伝わってくるせいなのか、椅子がたまに振動で揺れました。
「ホタルの墓」とか「はだしのゲン」とかに近い部分がありますが、絵が優しいとか、人柄が優しいとか、最後の出来事の感じが「この世界の片隅にいさせて【くれてありがとう】」、「いさせてあげるね」みたいな話で好きでした。
主人公の女性は呉で生き残りますけど
親戚がかなり亡くなります。
親戚が亡くなった経験があり、大人になり感情が動じなくなる大人はいいですけど。
子供には受け入れられるのか。
ホタルの墓よりは救いがありますけど…。
悲劇ストーリーの落としどころ、事実と希望のすりあわせで収まっています。
原作は未読だったのですが、以前クラウドファンディングをしていた時か...
原作は未読だったのですが、以前クラウドファンディングをしていた時から気になっていたので見に行きました。 ジブリ以外でこんなに素晴らしいアニメ映画を見たのは初めてではなかろうか、というのが第一印象です。 まず思ったのは、戦争の時代をこう描くことが出来るんだなぁということでした。戦争のことを描いた作品は、戦地での戦闘や悲恋などドラマチックなものが多いですが、この作品は本当に世界の片隅の日常がメインです。 主人公はすずという女の子ですが、彼女はとにかく普通で現状に甘んじることも怒ることもなく淡々と生きています。それはボーッとした性格故なのかもしれませんが、自分がもしあの時代に生きていたら、と考えるとなかなか出来ることではないと思います。 生き長らえた人は生きていくしかないんだなぁという…しかしその生きていくしかない、という気持ちが何より大切な時代だったのでは、と。 ただ最後にはずっと抵抗しなかったすずちゃんの感情も爆発気味になりますが…。 そのメリハリが本当によく描かれています。 広島と呉の街並みもよく再現されているのだろうなぁという感じで(実際見たことはないんですが…)、作画も丁寧でアニメとしての完成度も高い作品です。アニメだからこそこれだけあっさりと描けているのだと思います。 未鑑賞の方にはぜひお勧めしたいです。
すみませんが、この評価です。
お涙ちょーだいの戦争映画であまり無く、全体的にホッコリして終わる映画でした。 戦艦がメインに滞在している場所、呉を題材にしてくれた事に戦艦好きとしては感謝。 すずさん役ののんさんも素敵でした。 東日本大震災を経験しているので、映画に出てくる連日の空襲警報シーンが、余震の様にトラウマに感じました。 米軍の空爆、空襲シーンも、アニメ史上最大のリアルでは無いでしょうか。 戦争に直接参加していない地元の人々(特に奥様方)の生活が、超マジメでも無く、またリアルです。 良い事上記に並べましたが、私的にはこの評価です。(高評価している人ごめんなさい。) 昨今のアニメブーム、ましてや戦争アニメが無かったせいもあり、(言い方悪いですが)平和ボケで絶賛している方が多いと感じます。(悪口ではありません。皆様が今置かれてる状況にて観方、感想が変わる言う意味。) 戦争ドキュメンタリーを多く観て、色々な人の死にざまを観、生き残った人々の言葉を聞き過ぎてるせいか、もっと訴えかける「何か」が欲しかった。 玉音放送シーンにあったすずさんの本音の涙ながらの言葉の様な「何か」が、もう少し入っていれば、、、 (その後すぐ、闇市にてアメリカのおいしい残飯を食べて、何もなかったかの様なすずさん達の姿はリアルでしたが) 逆にあまり訴えかけないから、このタイトルなんでしょうか?、、、、。 いい映画ではありますが、私としては一度観るだけでいいかな?と言う理由でこの評価です。
すばらしい
自分はアニメ作品は全く観ないのですが、この作品の背景が気になって観てきました。 すばらしい映画です❗ 太平洋戦争の大変な時代なのに、そして悲しい事がたくさんあったのに、ほがらかな気分にさせてくれました。 オススメです❗
まったり感が良い‼︎ 苦しく厳しい時代なのに すずの ほんわかに癒...
まったり感が良い‼︎ 苦しく厳しい時代なのに すずの ほんわかに癒されちゃう 不思議な感じ... 能年玲奈改め「のん」の たどたどしい声が ボーってしてるすずに ぴったりだったと思います。 貧しく辛い生活も 和んで見えました。
笑える火垂るの墓
はだしのゲン は戦後が長過ぎたり、今となっては忠実な映像化は難しいし、火垂るの墓は鬱すぎるし、今後定番になりそうな映画なのにクラウドファンド頼みでどのTV局も絡んでないって見る目ないんだなぁ
背負いきれないやるせなさ
第二次大戦の戦中から戦後の国内の庶民の生活を描いた映画だ。広島市の江波地区と呉市を行き来しながら物語が進む。 同じ設定で真っ先に思い出されるのは新藤兼人監督の「一枚のハガキ」(2011年)だ。ヒロインを演じた大竹しのぶが「つかあさい」という広島弁を使っていたので、やはり広島県が舞台だったと思う。山奥の村には戦争の直接的な被害はやってこないが、村の男たちが一人、また一人と兵隊にとられ、そのたびに村人たちが「勝ってくるぞと勇ましく」ではじまる「露営の歌」を歌って送り出す。働き手を失った村は徐々に疲弊して、他との行き来も殆んどなく、ほぼ自給自足、最後はただ生きているだけの生活になる。 山田洋次監督の「小さいおうち」(2014年)も、やはり戦前から戦後までの庶民の生活を描いた作品だが、こちらは戦時下の不倫や、庶民がいつしか国家の大義名分に精神までも侵されていく様子を描いたドラマだ。戦時下でも普通の暮らしが続いていたことをこの映画で初めて知った。主演した黒木華がベルリン映画祭で銀熊賞を受賞したのは周知のところである。 降旗康男監督の「少年H」(2013年)も同じく戦前から戦後の国内の家族を描いた作品で、主演の水谷豊が、国家の大義名分に踊らされないリベラルな精神の持ち主を好演していた。 今年になって日本で公開されたアメリカ映画「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」もやはり太平洋戦争の末期におけるアメリカの小さな町の庶民の生活を描いた作品だ。 パッと思い出すだけでも4つの作品がすぐに浮かぶくらいだから、第二次大戦時の庶民の暮らしを中心に描いた映画はまだたくさんあるかもしれない。 これらの戦争映画を観て了解するのは、庶民にとって戦争は天災地変と同じようなものだということだ。敵も味方も理念も大義名分もイデオロギーもない。 だんだん生活が苦しくなり、周りの男たちが戦争に駆り出され、学校は教練所となり、庶民はいろいろな役割を与えられる。そしてある日たくさんの飛行機が飛んできて、爆弾を落とし、家が燃えて家族が死ぬ。友だちが死ぬ。誰も助けてくれない。やるせなさで胸がいっぱいになるが、黙って涙を流すのだ。 或いは、遠くの国で新型爆弾がうまく爆発して甚大な被害を生じせしめたことを知る。やったと思う。しかしあまりにもたくさんの人が死んだことを知って、やるせない気持ちになる。 この映画の主題歌としてコトリンゴが歌う「悲しくてやりきれない」は詩人サトウハチローの歌詞に自殺した加藤和彦が曲を書いた名曲だ。コトリンゴのとても落ち着いたミックスボイスが「悲しくて悲しくてとてもやりきれない このやるせないモヤモヤをだれかに告げようか」という歌詞を際立たせる。この歌の「やるせない」という歌詞がこの映画のキーワードだと思う。 庶民にとって戦争はあまりにも理不尽だ。かといって誰を責めたらいいのか。自分自身だって、ついこの間まで大本営発表に日の丸を振っていたではないか。誰も責められないのかもしれないが、不幸の重荷は確実に自分を待っている。主人公すずが敗戦を告げる天皇のラジオ放送のあとで慟哭する姿は、「一枚のハガキ」の大竹しのぶが慟哭したのと同じで、行き場のない悲しみと苦しみを抱えすぎて、叫ばずにはいられなかったのだ。夫から「すずはこまいのう」とつくづく言われるほど小さなすずの肩に、言葉にできないやるせなさが重くのしかかる。やるせない、兎に角やるせない。 呉の空襲、焼夷弾や時限爆弾、8月6日午前8時15分のリトルボーイの爆発、天皇のラジオ放送と、我々が知っている通りに物語は進む。映画の中ですずが描いた広島県産業奨励館の絵が何度も出てくる。それが原爆ドームになってしまうのは、知っていても胸が痛くなる。 たくさんのものを失くしてしまったすずだが、いまは思い出の橋の上にいる。映画の冒頭で子供のころのすずが、ある男性と出逢った橋だ。その男性と一緒にいる。いまはすずの夫だ。賢くて心の広い夫だ。背負いきれないほどのやるせなさを抱えたすずを、夫の愛が優しく包む。映画の最初から、すずはずっと夫の愛に包まれていたのだ。
どこにでも宿る愛
イデオロギーなど関係ない、市井の人々の戦争を愛を持って描いた作品。
ラストで戦争孤児を、当たり前のように受け入れるすずと周作とその家族。柔らかい広島弁に、涙が止まらなかった。
誰だって戦争は嫌だ。だけどこの作品はくだらない政治屋や自称インテリに、わかった風に「反戦映画」などと言われたくない。あさはかなイデオロギー、いや空疎な言葉で汚して欲しくない程の、珠玉の愛の物語。
母のおにぎりが、無性に食べたくなった。
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