「お帰りなさい、すずさん」この世界の片隅に 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
お帰りなさい、すずさん
こうの史代さんの原作を読んで、
(普段漫画なんか読まないのに何故か本屋で平積みされているのが目に入り、衝動的に購入)
ドラマ化された作品をみて、
(北川景子版、周作さんは小出恵介だったからもう見ることができないのかな。映画の後に作られたドラマシリーズは松本穂香のすずさんがよかったなぁ)
アニメ映画化されると知って期待を膨らませて、
出来上がった作品が生涯ベストのひとつとなった今作。
(七人の侍と大脱走とナウシカと今作)
何度繰り返し観ただろう。
最初から最後までが愛おしく、涙がとまらない。
(憲兵さんのところと夫婦喧嘩のところは笑い泣き)
戦時中の暮らし、食べもの、防空壕、焼夷弾、空襲の恐ろしさ、広島の惨状、広島以外の街(呉)の被害、等々、今まで見てきたどんな映画やドラマよりもリアルで、アニメでしかできない表現で。
なかでも、玉音放送のあとのすずさんの慟哭。
そんなことわかってたんじゃないんか、
最後のひとりまで戦うんじゃなかったんか、
まだ左手がある、
何がよかったか、
晴美さんを返せ、
右手を返せ、
オニちゃんを返せ。
終戦80年の特別上映期間中に2度鑑賞。
戦争、戦時中の暮らしを体験するだけでなく、少し前の時代までは(今もか)、女の人は結婚したら嫁ぎ先の家の人になってしまうのが当たり前だったんだなぁ、と2人の娘を持つ父親として、感慨深いものがありました。
そして、亡くなった母はすずさんと同い年。
すずさんの戦中、戦後に、母の戦中、戦後が重なり、自然と涙が出てしまいます。
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