「悲しくてやりきれない」この世界の片隅に りりまるさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しくてやりきれない
大人になって「やりきれない」と思う事が多くなりました。若い時は困難は努力でどうにか出来るものだと思っていました。でも、世の中にはどうにも出来ないことがこんなにもたくさんある。悲しいけど受け入れるしかないんだと。
初めて観た時(コロナ前)は、戦時中なのにほのぼのとした世界観や昔の人らしくない温かな人々に惹かれ、そちらの方に注目が行きました。
二回目をコロナ真っ只中で観て、映画の後半の戦争の悲惨さがすごく現実味を感じました。明日どうなってるかも分からない、一瞬にして日常を奪うのがすぐ側にある恐怖を強く感じました。
仕方ない、誰に何を怒ればいいのか分からない、努力でどうこう出来る問題じゃない…。登場人物たちが、やりきれなさを抱えて生きていく様子に共感し、辛くなりました。辛くても生きていくしかない、それだけなんだと。
今回、自分の心に溜まっていたやりきれなさと映画が重なって少し救われた気がします。辛さに慣れて来てしまっていたので「辛いね、苦しいね、腹立つね」と言ってもらえた気がしました。
私もすずさんも何かを成し遂げるような人ではないけれど、日常の小さな幸せをみつけ、自分の役割をこなし、家族と支え合って、なんとかやって行きたいと思います。
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