劇場公開日 2016年11月12日

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「色々な見方が出来る映画」この世界の片隅に たいやきさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0色々な見方が出来る映画

2017年1月5日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

原作のマンガはリアルタイムで読んでいて、5年前にテレビでドラマ化された時は酷い出来だったので、あの繊細な絵柄を映像化するのは所詮無理なんだろうなと思ってましたが、評判が高かったので行ってみました。

失礼しましたという感じです。
このような非常に能力の高い監督さんが今まで無名だったというのは、日本アニメ界いや映画界が歪んでいたとしか言いようがないですね。

絵もいいのですが音楽も最高。
いくつもコトリンゴさんの歌が流れますが、原作者のこうの史代さんが、絵ではなく音楽の才能があったらこういう感じなんだろうなという感じです。

しかしながら、単に抒情的というだけでなく、それ以上に色々考えさせられました。

登場人物の行動やセリフ一つ一つに意味が込められてます。
何故戦争というものが起きて、そして簡単には終わらないのか。

もう、見てくださいとしか言いようが無いですね。原作者こうの史代さんは3年かけて連載執筆(準備期間入れたらその倍くらいの労力?)、片渕素直監督は6年かけて製作したと言いますから、ソレを2時間に凝縮したものをたったの2000円弱で見れるなんて、有難いとしか言いようがありません。

これほど衝撃を受けた戦争映画は「火垂るの墓」以来です。「火垂るの墓」とはぜんぜんテイストが違いますが。

たいやき