「戦争反対。」この世界の片隅に mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争反対。
2016年の落穂ひろいにかかっているが、アニメは「君の名は。」だけではなかった。
戦争を描いて鮮烈なアニメは「火垂るの墓」(高畑勲監督)以来か。
カウントダウンのように「何年何月」と出るテロップがせつない。主人公すず(のん)の成長とともに時を刻んでいるのだが、広島や呉が舞台となると20年8月6日を思わずにいられない。
片渕須直監督は1960年生まれなので、もちろん戦争の経験はない。だが時折見せる激しい描写はドキッとする。
防空壕に入っている時に空襲を受けるシーン、不発弾に仕掛けられた時限爆弾が爆発するシーン。
アニメの表現はまだまだ可能性を秘めている。
すずが体験してきた出来事は、もう想像を絶する。それでも生きていく、この生活力というか、生きようとする意志というか、我々はもっと学ばなければならない。
声を担当したのんの好演により、すずが地に足のついたキャラクターになっていた。この功績は大きい。
りんさんとのエピソードがもう少しあれば、うれしかったのに。
コメントする