「大傑作」この世界の片隅に Toshiさんの映画レビュー(感想・評価)
大傑作
参った…5回も観てしまった。かつてない経験。何度も繰り返し観たくなる作品は数々あるが、公開後数週間で5回は初めて。
アニメ、実写、洋画、邦画の別なく今年もっとも心を揺さぶられた映画。今後10年は必ず傑作と呼ばれ、その後は映画史上の古典的名作となるのではないか。
水彩画のような画面に表れる海、山、街並みはアニメならではの表現。最初のワンカットで映画の中に引き込まれる。このやわらかな世界に突然爆弾が降ってくる衝撃は凡百の実写戦争映画を遥かに越える。映画の爆撃場面で初めて恐怖を感じた。
後追いで原作を読んだが、この原作あっての成果であるのは当然。映画ではいくつかの省略と改変があるが、印象的だったのはすずさんが大和を初めて見てもらす感想。これは原作にはない。あんな大きな艦で大勢の人たちの食事や洗濯はどうするの?すずさんは主婦だ。このセリフが後のすずさんの苦難と慟哭につながる。
最後にのん。この人は映画に描かれないすずさんの人生も全て生きたんじゃないかと思わせるほどの成果を挙げている。
創ってくれ てありがとうと云いたい。
コメントする