劇場公開日 2016年11月12日

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「原作は未読だったのですが、以前クラウドファンディングをしていた時か...」この世界の片隅に iNahoさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原作は未読だったのですが、以前クラウドファンディングをしていた時か...

2016年11月24日
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鑑賞方法:映画館

原作は未読だったのですが、以前クラウドファンディングをしていた時から気になっていたので見に行きました。
ジブリ以外でこんなに素晴らしいアニメ映画を見たのは初めてではなかろうか、というのが第一印象です。

まず思ったのは、戦争の時代をこう描くことが出来るんだなぁということでした。戦争のことを描いた作品は、戦地での戦闘や悲恋などドラマチックなものが多いですが、この作品は本当に世界の片隅の日常がメインです。
主人公はすずという女の子ですが、彼女はとにかく普通で現状に甘んじることも怒ることもなく淡々と生きています。それはボーッとした性格故なのかもしれませんが、自分がもしあの時代に生きていたら、と考えるとなかなか出来ることではないと思います。
生き長らえた人は生きていくしかないんだなぁという…しかしその生きていくしかない、という気持ちが何より大切な時代だったのでは、と。
ただ最後にはずっと抵抗しなかったすずちゃんの感情も爆発気味になりますが…。
そのメリハリが本当によく描かれています。

広島と呉の街並みもよく再現されているのだろうなぁという感じで(実際見たことはないんですが…)、作画も丁寧でアニメとしての完成度も高い作品です。アニメだからこそこれだけあっさりと描けているのだと思います。
未鑑賞の方にはぜひお勧めしたいです。

iNaho