「暗いと不満を言うより」この世界の片隅に うにう兄さんの映画レビュー(感想・評価)
暗いと不満を言うより
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すずを始め、そんな言葉がしっくり似合う登場人物たち。
辛い時代を明るく生きる姿に勇気づけられ、涙がこぼれました。
原作を読んでいたせいもあり、最初から涙ぐんでましたが、何気ない普通のシーンで涙が頬を伝っていくのは初めての経験でした。
そして他の映画のように感情に任せて泣かせようとすれば幾らでも出来た(例えば被爆したすみとの再会場面とか)のに、それをせずにいることで、物語が単純な悲劇作品とは違うものになっているように思います。
他の方はあまり触れませんが、私は径子さんが良いと思います。
重症のすずを看病してた(恐らく夜通し)のは間違いなく彼女でしょう。(だから目覚めた時に彼女が目の前に…)
径子さんはより強く家を守ろうと思っているでしょう、だから弟嫁のすずにも生きてほしいと強く願ったはず…でも、母として『娘が死んでよかった』と、捉えられるような言動は決してしない…玉音放送の後、1人陰で泣き崩れる彼女がとても印象的でした。
そして、この作品の主軸に感じたのは故アグネス某(最近は批判が多い方ですが)の言葉にある『人の最大の不幸は戦争や貧困ではない、それらによって自分が誰からも必要とされていないと思う事(孤独)』ではないかと思いました。
『私を見つけてくれてありがとう』は自分の居場所(自分を必要としてくれる場所)が見つかり「人の最大の不幸」から救われたことからでたのでしょう
本当に色々と考えさせられる作品です。
そして多くの人がこの作品を見て、色々と考えてくれたらいいなと思います。
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