「片渕監督に足を向けては寝られまじ」この世界の片隅に mayuraさんの映画レビュー(感想・評価)
片渕監督に足を向けては寝られまじ
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原作の大ファンとして、本当に素晴らしい映画化作品というほかはありません。
片渕監督の原作の掘り下げ方は凄まじく、リサーチもすさまじいものがあります。
美術の美しさは特筆もので、ここまでやるのか、という監督の執念をも感じます。
また、戦争シーンの恐ろしさといったらありません。原作の漫画ではそこまで恐怖を感じはしなかったのですが、音響と相まって本当に怖さを感じます。可愛い絵柄なのですが、武器はとても重く恐ろしく描かれています。空襲を描いた作品は多くありますが、焼夷弾、照明弾をこんなにも恐ろしく感じたことはありません。日常とのギャップの凄まじさがより際立つように感じました。
とはいっても確かに戦争映画や反戦映画という側面はあるもののそれが主題であるとも言いがたい作品だと思います。
主人公の再生の物語にもなっていて、幸せな気持ちで映画館を出ることが出来ます。呪詛や怨嗟に満ち満ちた作品では決してないのです。それらを否定する気はないのですが。
こうの史代さんが書いたとしか思えないほどのの作画のクオリティに本当にびっくり。
日本のアニメーターってものすごいものですね。
クラウドファンディングに参加することが出来た人が本当に羨ましい。エンドロールに自分の名前が載っていたら本当に誇らしかったでしょうね。返す返すも残念至極。今なら参加できたのになー。
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