「大人味&アメリカ味溢れる魔法ファンタジー」ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
大人味&アメリカ味溢れる魔法ファンタジー
本作は、ハリーポッターシリーズに続く新シリーズ第一弾。舞台は前シリーズより昔の1920年代のアメリカ。主人公は、若き魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディー・レッドメーン)。彼が世界中で収集した魔法動物たちが、ニューヨーク滞在中に逃げ出し、折しもニューヨークで発生した怪奇現象、怪奇殺人の犯人だと疑われる。彼はその疑いを晴らすべく、偶然知り合ったノーマジ(魔法の使えない人間)のジェイコブ、アメリカ魔法議会のティナ(キャサリンウォーター・ストン)、その妹クイニ―と協力して、逃げ出した魔法動物を捕獲するとともに、真犯人に迫っていく。
前シリーズに比べ、雰囲気が違う作品になっている。ニューヨークが舞台になったことで、アメリカ色濃厚な作品になっている。特に、主人公の脇を固める個性的な登場人物は極めてアメリカ的である。ティナは、主人公との口論が絶えず、自分の信念の為がむしゃらに突き進んでいくキャリアウーマン型アメリカ女性。一方、その妹クイニ―は、マリリンモンロー系の女性フェロモン溢れるアメリカ女性。ふとしたきっかけで事件に巻き込まれ、そのまま協力者になるというアメリカ映画の典型的なパターンで登場するジェイコブは、主人公とのやり取りが絶妙。軽妙でコミカルなジェイコブとティナの妹、口喧嘩の絶えない主人公とティナ、二組の男女の恋愛模様が、本作のスパイスになっている。本作の大人味を増している。
また、悪戯な魔法動物はグレムリン、寄生獣のミギー、その捕獲はアラジンと魔法のランプ、ゴーストバスターズ、真犯人との迫力あるバトルとその後の街の再生はX-MENを彷彿とさせるものがあり、本作は、単なる魔法ファンタジーではなく、様々な要素を取り入れたバランスの取れたハイブリッド作品になっていて、エンターテイメント性が増している。前シリーズにくらべ、より大人が楽しめる作品になっている。素直に面白い。
さらに、本作は、ノーマジと魔法使いの関係性にも触れている。何故、ノーマジに気付かれないように生きなければならないのか。というアメリカ魔法議会内でのやり取りは、マイノリティである魔法使いの立場を物語っているが、人種のるつぼと言われるアメリカを背景にして語られるとリアルで説得力がある。
アメリカ魔法議会長官のパーシバルは、いかにも野心満々の一癖も二癖もありそうな悪党ぶりで、主人公との対比が際立っている。やはり、この手のシリーズものには、難敵が不可欠であり、彼は今後の作品で、巨悪としての暗躍して欲しい。
肝心の主人公は、本作では、命を大切にする心優しい青年というキャラだが、やがては、悪との壮絶な戦いをするような凛々しいキャラに成長してくれることを期待したい。
ファンタビ・・・ワールドも好きです。
魔法動物キャラも多いですね。
みかずきさん
ステキなレビューを
ありがとうございます(^^)/
3作目では、更にびっくりですよね。
私は今や ハリーポッターシリーズよりもファンタビが好きです。
ストーリーが大人向けであるのと ハリーポッターのトリビアを知っててなお、楽しめる物だというところにグッと来ております。
3は劇場で涙する程でしたが DVD で見直すと更に気づく事もあって もう嵌った沼から抜け出せない程でございます。
共感です。
そして、親切なレビューに感心しました。これ読んで、観に行く人もいると思います。
さて、ハリポタのような爆発力にはならなそうですが、その代わり息の長いシリーズになってくれそうでもあるファンタビ、どうなっていくんでしょうね。楽しみです