「かなりマニアックな内容」ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 niwaさんの映画レビュー(感想・評価)
かなりマニアックな内容
ハリーポッターシリーズの外伝と位置づけるにはテーマ、主人公、舞台どれをとってもマニアックな内容。
魔法動物、アメリカ魔法界、そこで暗躍するグリンデルバルド……とアイデアをどんどん膨らませたはいいものの、大型エンタメ映画にあるまじき「予習が必要な作品」になっているのが残念なところ。
○主人公のニュート・スキャマンダーは魔法動物以外の世俗にまったく関心がないというクセの強いキャラクター。冒頭からずっと変質者っぽい挙動で税関職員と観客を不安にさせる。おまけに彼の言動には説明不足なところが多く、ノーマジどころか同族の魔法使いにさえ理解されていないので「古い時代のアメリカ魔法界」という新舞台にのっけから孤立しており、もっと見たい、もっと知りたいという観客の欲求に彼を取り巻くシナリオが応えきれていなかった。
○本編の主軸となる「魔法動物」はジュラシックパーク感が強め。金銀をくすねる二フラーのキャラクターは良かったが、主人公にしっかり懐いてるわりに鞄が開いたことで脱走し暴れまくるので、どちらかというと単なる障害、あるいは魔法に代わる道具としての役割しか担っていなかった。
○魔法議長とその取り巻きはひどかった。シナリオを前に進めるため脚本上意図的にヒロインや主人公の話をシャットアウトするというパターンが序盤から終盤にかけて何度も繰り返し見られた。ハリーポッターでも魔法省の意志決定がめちゃくちゃだと感じることがあったので、JKローリングは大人の群衆の使い方が上手ではないのかも。