「大人のためのハリー・ポッター」ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 どてかぼちゃさんの映画レビュー(感想・評価)
大人のためのハリー・ポッター
あっという間にストーリーに引き込まれ、3Dメガネの不快さも忘れて楽しみました。
ハリー・ポッターを2、3作目までしか追ってないため、ところどころ小ネタを理解できなかったのですが、お構いなしに面白い。
「ハリー・ポッターはあんまり…」という人にもオススメです。
というのも、私自身がそうだったからです。
本家シリーズは、映像の綺麗さや迫力、リアルではありえない魔法シーンにとても魅力を感じながらも、ティーンエイジャーが主人公の成長・青春ストーリーに興味が持てなくて、自然と観なくなってしまいました。
しかし今回のスピンオフ作品は、メインキャスト4名が全員オーバーサーティ。
ヒロインのキャリアウーマン・ティナは、左遷を経験するなど大組織の中でもがき、ひょんなことから魔法の世界に巻き込まれた人間・ジェイコブは、自分の店を開く夢を持ちながらも資金を借りられずうなだれる…
ストーリーには大人の悲哀、“闇の帝王”とは比べものにならないほど地味な、社会とか現実とかのどうしようもない“しんどさ”がにじんでいてます。
もちろん全体のトーンはファンタジックで、多種多様な魔法動物や彼らを追う主人公たちの面白おかしいやりとりなど、大人も子ども楽しめるエンターテインメント作品です。
しかしメガホンをとったデヴィッド・イェーツ監督も、本家シリーズよりは大人向けになってると思うとインタビューで語っている通り、大人の方がより一層楽しめる作品だと思いました。