「序章として捉えれば上出来」ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 天秤座ルネッサンスさんの映画レビュー(感想・評価)
序章として捉えれば上出来
ハリー・ポッターは途中で挫折した組の私。この作品もエディ・レッドメインが主演じゃなかったら見てたかどうだか・・・?でも実際に見ればなかなかどうして楽しくて面白い作品だった。脱走してしまった魔法の動物を探し出すというサブストーリーを追いながら、登場人物や設定を手際よく捌いていき、メインとなるストーリーを徐々に説き明かしていく感じは脚本に巧さを感じるし、今の時代だから表現できる魔法の映像化は文句なく圧巻という感じ。
とはいえ、あくまで「序章」として作られている感じがありありと伝わり、この作品1本では何か不完全燃焼な感じは残る。「あぁきっとこれから、大きな展開につながっていくんだろうなぁ・・・」という気配だけが映画の中に散りばめられるものの、映画単体としての充実感は少々頼りないものを感じた。
ただエディ・レッドメインに萌える、という意味では大大満足。ナイーブな青年が可愛らしいブルーのコートを羽織り、「僕が君を受け止める」とか「この腕を切り取られても君を手放さない」とか「君のことは絶対に忘れない」だとか・・・。こんなセリフを吐かせてエディ・レッドメインに萌えないなんて無理ってもの。いや、全然ロマンティックな話じゃないんだけど、キラキラしたセリフと伏し目がちな目線含め「なるほど、この映画の楽しみ方は、エディ・レッドメインに萌えることか・・・」と思うと妙に納得。ハリポタファンというよりエディ・レッドメインファン向けの作品だったりして。
ともあれ、今後五部作が決まっているという話を信じれば、次回作以降への期待を込めて、この映画が序章としては上々だったと考えてよさそう。少なくとも次の新作が完成したら観に行こうと思えた。