バトルヒート : 特集
「ロッキー4」ドルフ・ラングレン VS 「マッハ!」トニー・ジャーの頂上決戦!
映画.comの予想も裏切る、アクション・ファンを満足させる「このクオリティ」
ドルフ・ラングレンとトニー・ジャー、アクション映画ファンを魅了してきた2人のアクション・スターが、7月25日公開「バトルヒート」でついに激突する。弱者を食いものにする人身売買をめぐり、アメリカとタイ、2つの国の刑事たちがそれぞれの正義を懸けて挑む戦いが、アクション・ファンを満足させる!
■7・25 in 映画館──剛:人間核弾頭のラングレン VS 柔:高速ファイターのジャー
アクション映画屈指の黄金カードのゴングが鳴る!
アクション映画ファンなら誰もが夢見る黄金カードのひとつ、ドルフ・ラングレンとトニー・ジャーの対決がついに実現した。「ロッキー4」のシルベスター・スタローンとの壮絶な死闘で映画ファンを騒然とさせ、近年はそのスタローンと絶妙なチームワークを「エクスペンダブルズ」シリーズで見せている、北欧が生んだ“人間核弾頭”=ラングレン。そして、手加減なしのムエタイ・バトルと常人をはるかに超える身体能力を見せつけた「マッハ!」でさっそうとデビューし、「ジャッキー・チェン、ジェット・リーの後を継ぐ次世代スターは彼だ!」とアクション・ファンに言わしめた“高速ファイター”=ジャー。
ひとりは復しゅうの鬼として、もうひとりは正義の刑事として、同じ人身売買組織のボスを追うなかで、アクション映画界の2大巨星が激突する。ボクシングにおける「辰吉丈一郎VS薬師寺保栄」、総合格闘技における「山本KID徳郁VS須藤元気」、K-1における「ピーター・アーツVSミルコ・クロコップ」──チケット・ソールドアウト確実の黄金カードのゴングが、今、映画館で鳴り響く!
■「どうせいつもの感じだろ?」──と、疑っていて本当にスミマセン!
本作は、アクション映画ファンの空腹を十分に満足させる内容だ!
アクション映画にはひとこと申したい! 数々のアクション映画を見てきた映画.com編集部員が、試写会でいち早くこの黄金カードを目撃。果たしてそのクオリティは、目利きのアクション・ファンを満足させるものだったのか?
「ロッキー4」から30年、「マッハ!」からも10年以上が経っている以上、ドルフ・ラングレンもトニー・ジャーも全盛期の輝きなんてどうせ期待できないんだろなあ……と、少し冷めた目で試写会に足を運んだが、その予想は大きく裏切られた(疑っていてスミマセン!)。一撃必殺の空手使い、重量級=剛のラングレンと、目にも止まらない超絶スピードでスゴ技を繰り出すムエタイ・マスター=柔のジャーのアクションの特性が見事な対比となって、すごくいい感じに張り合っていることに驚いた。同じ目的を持ちながらも、危険人物として追われるラングレンを止めるために、タイの刑事であるジャーが戦いを挑む展開だが、互いの持ち味をぶつけ合うバトルに、手に汗握って見入ってしまったのだ。
この手の映画となると、有名俳優は主演しているアクション・スターだけということに陥りがちだが、この点も本作は大きく違う。脇を固める共演陣にもハリウッド一流の俳優が顔をそろえているのだ。まずはラングレンとジャーが追う共通の敵=人身売買組織のボス役には、「ヘルボーイ」シリーズ、「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督作でおなじみのロン・パールマン。あの個性的な風ぼうが本当に憎々しく見えてしまうのがさすが。刑事役のラングレンの上司には、「ロボコップ」「スター・トレック イントゥ・ダークネス」のピーター・ウェラー。存在感と渋さがただ者じゃない。そして自身も格闘マニアだという「キル・ビル」「ダークナイト」のマイケル・J・ホワイトは、ジャーとの一騎討ちまでを披露!
アクション映画というと、アクションの見せ場を重視した荒唐無稽なストーリーになりがち。今回もアクションに注目して、それほどストーリーは気にしていなかったのだが、実は本作、アジアを温床にした世界的規模の人身売買という非常にシリアスなテーマを取り扱っている作品だったのだ。移送される途中のコンテナ車で、娼婦として売られた少女たちが窒息死してしまったという実際の事件を基に、ストーリーを考案したのは、なんとラングレン本人。主人公が犯罪捜査していくなかで、愛する妻子を殺されてしまい復しゅうに燃えるという展開も、家族持ちの自分には深く響いたヒューマン・ドラマ要素だった。娯楽作でありながらも、家族や世界的な問題に目を向けさせるなんて……やるな、「バトルヒート」。
■アクションスターが自ら書く脚本が、アクションファンの高い満足度にコミット!
ドルフ・ラングレン脚本初公開作も、まさにファンに対する責任と決意の表れだ!!
「アクション・スター自身が脚本を書くと、アクション映画ファンの満足度が高い作品になる(=クオリティの高いアクション映画が完成する)」ということに、映画.comは気がついた。どのような話なら、アクションが最も効果的に映し出されるのか。アクションに精通する本人がストーリーを書くのだから、自らのアクションが最も映える内容で物語が構成されるのは当然だ。ドルフ・ラングレンもまた、シルベスター・スタローン、ジャッキー・チェンほか、自らの脚本で傑作アクションを送り出してきた実力者たちと並ぶアクション・スターなのだ。